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IAEA 閣僚声明草案 (chaban)

**** Updated 6.13 ****

木野さんのこのコメント、説得力あるなあ。

0607 細野補佐官原発報告書説明について 木野龍逸

**** Updated 6.09 ****
東京新聞から
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011060990070419.html
– – – – – –  (東京新聞より全文転載開始)- – – – – –  – –
政府報告書 「津波15メートル」高さ誤記載 4~5割増 浸水高と混同
2011年6月9日 07時04分
福島第一原発事故の直接的な原因とされる津波について、政府が国際原子力機関(IAEA)に提出した報告書の中で、「津波の高さ」と「浸水高(だか)」を混同して表記していることが分かった。浸水高の方が数字が大きくなるケースが多く、専門家からは津波の過大評価につながるとの批判も出ている。


政府は、四十ページの概要版では、「津波は一四~一五メートルに達し、(中略)非常用ディーゼル発電機及び配電盤が冠水して機能を停止」と、想定外の津波による影響を強調している。

IAEA調査団にも同様の説明をしたためか、調査団の報告書素案でも同様の数字が使われている。
一方、七百五十ページに及ぶ正式版では、津波の高さは「一〇メートル以上」とした上で、海抜十メートルの地点に立つタービン建屋などが、四~五メートルの高さまで浸水した跡があるため、「浸水高は一四~一五メートル」と正確に記載している。
同じ政府が出した報告書なのに、津波の高さが四~五割も食い違う結果になっている。概要版はより多くの人が読むだけに、誤解を与える範囲も広い。
経済産業省原子力安全・保安院も従来の発表資料で「津波の高さは一四~一五メートル」と明記していたが、耐震安全審査室の担当者は「誤って取り違えた」と釈明している。
東北大の今村文彦教授(津波工学)は「津波の想定を見直す際にも誤った結果を導く可能性がある」と指摘。
東日本大震災では、東京電力が耐震設計で想定した揺れを一部で上回っており、福島第一でも建屋やタンク、配管の一部に地震によるとみられる損傷が報告されている。
名古屋大の鈴木康弘教授(変動地形学)も「津波の規模ばかりに目をとらわれていると、地震が及ぼした影響が軽んじられる恐れもある」としている。
<津波のさまざまな値> 図の通り、津波の規模にはさまざまな値があり、意味も違う。「津波の高さ」は通常の海面から津波の頂部までの高さで、「浸水高」は海面から建物などが水につかった地点までの高さを指す。このほか、津波が陸地を駆け上った地点までの高さを示す「遡上高(そじょうだか)」もある。
(東京新聞)
– – – – – – (転載終了)- – – – – –

細野補佐官のIAEA 閣僚声明草案:「Ⅶ.放射線被ばくの状況」だけでも根拠からしておかしいと思われる点がいくつも見られる。積極的草案などといって評価する者たちは具体的にどこがどう評価できるというのだろう・・・?

– – – – 英語Version – – – –

http://www.kantei.go.jp/foreign/kan/topics/201106/iaea_houkokusho_e.html
Report of Japanese Government
to the IAEA Ministerial Conference on Nuclear Safety
– The Accident
at TEPCO’s Fukushima Nuclear Power Stations –

– – – – 日本語- – – –
http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2011/iaea_houkokusho.html

原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する
日本国政府の報告書
-東京電力福島原子力発電所の事故について-

表紙
目次
概要

 	 Ⅰ.はじめに	 

 	 Ⅱ.事故前の我が国の原子力安全規制等の仕組み
 	  1.原子力安全の法規制の仕組み	II-1
 	  2.原子力災害対応の法規制の仕組み	II-5

 	 Ⅲ.東北地方太平洋沖地震とそれによる津波の被害
 	  1.地震と津波による我が国の被害	III- 1
 	  2.福島原子力発電所を襲った地震と津波による被害	III-27
 	  3.その他の原子力発電所を襲った地震と津波による被害	III-45
 	  4.地震及び津波による被害に関する評価	III-59

 	Ⅳ.福島原子力発電所等の事故の発生と進展
 	 1.福島原子力発電所の概要	IV- 1
 	 2.福島原子力発電所の安全確保等の状況	IV- 3
 	 3.福島原子力発電所の地震発生前の運転状況	IV-28
 	 4.福島原子力発電所の事故の発生・進展	IV-31
 	 5.福島原子力発電所の各号機等の状況	IV-35
 	 6.その他の原子力発電所の状況	IV-97
 	 7.事故の発生と進展の評価	IV-100

 	Ⅴ.原子力災害への対応
 	 1.事故発生後の緊急時対応	V- 1
 	 2.環境モニタリングの実施	V-13
 	 3.農産物、飲料水等に関する対応	V-24
 	 4.追加的な防護区域の対応	V-25
 	 5.原子力災害への対応の評価	V-28

 	Ⅵ.放射性物質の環境への放出
 	 1.放射性物質の大気中への放出量の評価	VI-1
 	 2.放射性物質の海水中への放出量の評価	VI-3

 	Ⅶ.放射線被ばくの状況
 	 1.放射線作業従事者を含む関係職業人の放射線被ばくの状況	VII-1
 	 2.周辺住民の放射線被ばくの状況	VII-6
 	 3.放射線被ばくの状況の評価	VII-8

 	Ⅷ.国際社会との協力
 	 1.各国からの支援	VIII-1
 	 2.国際機関との協力	VIII-2
 	 3.国際社会との協力の評価	VIII-2

 	Ⅸ.事故に関するコミュニケーション
 	 1.国内の周辺住民や一般国民とのコミュニケーション	IX- 1
 	 2.国際社会とのコミュニケーション	IX- 6
 	 3.国際原子力・放射線事象評価尺度(INES)に基づく暫定評価	IX- 8
 	 4.事故に関するコミュニケーションの評価	IX-10

 	Ⅹ.今後の事故収束への取組み
 	 1.福島原子力発電所の原子炉等の現状	X- 1
 	 2.事業者による事故の収束に向けた道筋への対応	X -2
 	 3.国による対応	X -8

 	ⅩⅠ.その他の原子力発電所における対応
 	 1.福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の
       事故を踏まえた他の発電所の緊急安全対策	XI-1
 	 2.浜岡原子力発電所の停止	XI-3

 	ⅩⅡ.現在までに得られた事故の教訓	 

 	ⅩⅢ.むすび
 	(注:各章にある評価は、現時点での暫定的なものである。)

 	添付資料編
添付II-1 原子力防災関係法令等の概要
添付IV-1 福島第一原子力発電所1~3号機の炉心の状態について
添付IV-2 東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に係る1号機、2号機及び3号機の炉心の状態に関する評価のクロスチェック解析
添付IV-3 図表集
添付V-1 原子力災害対策本部長からの避難指示等
添付VI-1 ヨウ素131とセシウム137の大気放出量に関する試算
添付VII-1 緊急作業に従事した労働者のその後の緊急作業以外の放射線業務による被ばく線量に係る指導について
添付VIII-1 IAEA専門家の活動
添付IX-1 主な国際会議における日本側関係者による説明
添付X-1 原子力被災者への対応に関する当面の取組のロードマップ
添付XI-1 東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を受けた我が国の具体的な対応策

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◎PDFのテキスト化にて転載

– – – – Ⅶ.放射線被ばくの状況– – – 

1.放射線業務従事者を含む関係職業人の放射線被ばくの状況

(1)放射線業務従事者における線量限度について

① 事故前の線量限度の規定

線量限度等については、文部科学省に設置されている放射線審議会が、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告の我が国への取り入れを審議し、取り入れ方針を意見具申している。放射線業務従事者における線量限度については、ICRP 1990年勧告(Pub.60)に基づき、関係法令において、実効線量で5年間につき100mSv、1年間につき50mSvと定められている。また、女子については、この限度のほかに3月間につき5mSvの限度が定められている。

また、緊急作業に係る放射線業務従事者の線量限度については、関係法令において、実効線量について100mSv、眼の水晶体の等価線量について300mSv及び皮膚の等価線量について1Svと定められている。

② 事故を踏まえた緊急時における線量限度の変更

今回の事故での災害の状況に鑑み、原子力災害の拡大を防止するため、緊急時における放射線業務従事者の線量限度を変更している。原子力災害対策特別措置法の原子力緊急事態宣言がなされた日から、解除宣言がなされた日までの間の緊急事態応急対策実施区域において、特にやむを得ない緊急の場合は、実効線量について100 mSvを250 mSvとし、3月14日から施行している。この250 mSvの根拠については、ICRP 1990年勧告(Pub.60)において緊急救助活動に従事する者(ただし、ボランタリーである者)の上限の線量限度として、放射線防護の基本的目標である確定的影響の発生を回避するために500mSvとされていることなどを踏まえたものである。

線量限度の変更に当たっては、人事院総裁、厚生労働大臣及び経済産業大臣は、放射線障害防止の技術的基準に関する法律に基づき、文部科学省に設置されている放射線審議会に対して、線量限度の変更についての諮問を行い、妥当であるとの答申を得ている。

なお、厚生労働省は、緊急作業に従事した労働者のその後の緊急作業以外の放射線業務による被ばく線量に関しての行政指導文書を発出している。(添付Ⅶ-1)

(2)原子力発電所における放射線管理体制

① 事故前の事業者(東京電力)による放射線管理

東京電力は、原子炉建屋、タービン建屋に代表される「放射線管理区域」における放射線レベルを把握し、作業に当たっては個別の放射線作業計画を確認する等により、作業者の受ける放射線量を低いレベルに押さえることを目的として放射線管理を行っていた。また、管理区域での作業は放射線業務従事者に指定、登録された者を東京電力が確認し、作業許可を与えた者でなければできない

福島第一原子力発電所では、通常、作業者一人一人が警報付き個人線量計(Alarm Pocket Dosemeter : APD)を装着して作業中の放射線量を測定するため、管理区域入域時に個人を特定して、一人一人に貸し出し、作業終了後はAPDの線量を読み取って自動的に記録し、毎日の個人別線量や企業別等の集計、あるいは月単位、年単位等の個人別線量集計などの処理ができる仕組みを構築し利用していた。

また、管理区域(各建屋)への入退域は、各建屋の入り口に隣接した建屋で行い、防護装備や個人線量計の装着も、管理区域入域直前で実施していた。

内部被ばく管理については、初めて放射線管理区域に入域する際及び3ヶ月毎にホールボディカウンター(WBC)を用いた測定・評価を全作業者に実施していた。

② 事故後の事業者による放射線管理

a.外部被ばくに関する個人被ばく管理体制

a)福島第一原子力発電所における放射線管理体制

今回、海岸に面した(2)に記載した入退域のための建屋にも津波が押し寄せ、管理システムの機能が喪失し、APDや線量読み取り装置も海水に浸かったため、その多くが使用できなくなった。

また、発電所敷地内の放射線レベル、汚染レベルが高くなり、作業者は、「免震重要棟」に設置された東京電力の対策本部においてすべての業務を一元的に行うこととしたことから、個人線量計の貸し出し、線量記録も、免震重要棟で実施した。

地震直後の3月11日より作業者の線量管理は、個人名と日々の線量値を手作業で記録し、線量データを紙の記録として蓄積する方法をとらざるを得ない状況となり、さらに手作業で記録した毎日の個人線量を手作業でPC(エクセルシート)入力し、データベースとして保存している。

APDについては、前述のとおり使用できなくなったものが多くなり、
作業者全員に行き渡らない状況となったことから、東京電力は、作業グ
ループの代表者がAPDを携帯し、全員の被ばく線量を管理していた。
原子力安全・保安院としては、作業者の被ばく管理は、現場の安全確保
の上で極めて重要であることから、東京電力に対して、作業者の放射線
管理に万全を期するよう口頭で指示した。この指示を受け、4月1日ま
でに必要なAPDを確保し、作業者全員が線量計を携帯して作業を行っ
ている。

また、作業者は、免震重要棟内での作業時には、APDを着用してい
なかったことから、外部被ばくの評価は滞在した期間に基づく評価とな
っている。さらに、事故直後、免震重要棟内の空気中放射性物質の算定
は、空気中の濃度限度を超えていたにも関わらず、防護マスクの着用な
ど適切な防護装備を装着させていなかったため、同棟内に滞在していた
作業者が放射性物質を吸引する結果となった。

事故発生から約1ヶ月後の4月14日、福島第一原子力発電所におい
ては線量管理システムがほぼ復旧したため、従来の形に近い線量管理
(個人名と線量記録が自動的に記録される仕組み)が可能となっている。

b)Jビレッジにおける放射線管理体制

事故直後の3月17日より、福島第一原子力発電所の南約20km地点
のサッカー練習施設「Jビレッジ」を福島第一原子力発電所への作業者
の入域場所として活用し、防護装備の装着、退出時の汚染検査等を行っ
ている。

免震重要棟を経由しないで福島第一原子力発電所の構内で作業を行
う放射線業務従事者については、Jビレッジで個人線量計(急遽調達し
たり、いくつかの機関からの支援を受けたため数種類の線量計が混在し
ている。)を装着して福島第一原子力発電所の構内作業等に向かい、退
出時はJビレッジで線量計を返却する際に当日の線量を記録する仕組
みをとった。このため、Jビレッジにおける線量記録は、事故当初より、
手作業による集計を継続している。なお、東京電力は、6月上旬よりJ
ビレッジにおいてもバーコードを利用した個人認証システムを導入す
る計画である。

b. 放射線防護装備、作業管理体制

東京電力は、福島第一原子力発電所構内全域の放射性物質濃度が高い
状態にあることから、防護服(タイベック等)、手袋、防護マスクの着用

を義務づけている。また、天候や作業場所の汚染に応じて、防護服(ア
ノラック)、ゴム手袋、オーバーシューズの装着を義務づけている。

免震重要棟については、入口の扉が気密構造でないこと、1号機およ
び3号機の水素爆発の影響で扉が歪み若干の隙間が空いていたことなど
から、放射性物質の流入を防ぐことが難しい状況であったが、事故当初
より棟内では特段の防護装備を装着していなかったため、作業者による
放射性物質の吸入が発生した。免震重要棟内の空気中放射性物質濃度低
減のため、3月26日に免震重要棟の入口にユニットハウスを接続し、ハ
ウス内にチャコールフィルタ付き局所排風機を設置するなどの対策を行
った結果、棟内の放射性物質濃度は防護対策が不要な低い値で維持され
ている。

また、線量が高いエリア等における作業計画の立案において、事前サ
ーベイ等を行い、作業者に周知している。

(3)被ばくの状況

福島第一原子力発電所で緊急作業を行っている作業者の被ばく線量の状況
は、5月23日現在、入域した人数は約7,800名で、平均は約7.7mSvである。
100mSvを超えた者は30名である。被ばく線量の集計結果は、添付Ⅶ-2の
とおり。

今回の事故では、被ばく線量が法令に定める線量限度を超える事例等が発
生しており、概要は次のとおりである。

3月24日、3号機タービン建屋1階及び地下1階において、ケーブル敷設
作業を行っていた3名のうち2名について、短い靴で滞留水に足を入れて作
業を行った結果、両足の皮膚に放射性物質が付着していることを確認した。
東京電力は、当該部分の洗染を行ったものの、ベータ線熱傷の可能性がある
と判断し、2名は福島県立医科大学付属病院へ搬送し、診察の後、翌25日に
その2名を含む作業者3名を独立行政法人放射線医学総合研究所に搬送した。
放射線医学総合研究所では、受け入れ後直ちに検査等を行い、また、4月11
日に経過観察のため再受診し、3名の健康状態に問題はないことを確認して
いる。なお、皮膚の等価線量を評価した結果、2~3Svを下回ると推定され
ている。

さらに、4月27日、東京電力は、3ヶ月分の被ばく線量の確定作業を行っ
ている過程で、作業に従事していた女性職員について、法令に定める線量限
度である3月間で5mSvを超えていることを確認した。なお、作業に従事し
ていた者の中には、放射線業務従事者の指定がされていない者がいた。

このため、原子力安全・保安院は、東京電力に対して、厳重に注意すると

ともに、原因の究明及び再発防止策の策定並びに福島第一原子力発電所にお
ける放射線管理体制の検証及びこれを踏まえた対策の策定を行うよう指示し
た。東京電力は、5月2日、同指示を受けた報告書を作成し提出した。原子
力安全・保安院は、同報告書を受け、東京電力に対し、作業者の労働安全、
健康管理及び生活改善について、放射線業務従事者の放射線管理が適切にな
される観点から、更なる改善に努めるとともに、放射線業務従事者の放射線
管理を適切に行い、福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所におい
て、保安規定を遵守させるための指示を5月25日に行った。(添付Ⅶ-3)

また、5月17日、原子力災害対策本部が決定した「原子力被災者への対応
に関する当面の取組方針」に示したとおり、政府は、東京電力に対し、①内
部被ばくを含め作業者の被ばく線量管理、臨時の健康診断の実施の徹底等に
ついて指示しており、今後、定期的に実施状況の報告を求めることとしてい
る。また、②緊急作業のうち一定のものについては、あらかじめ労働基準監
督署に作業届を提出させることとし、作業者の被ばく管理等について確認す
ることとしている。

さらに、③緊急作業に従事したすべての作業者の、離職後を含めて長期的
に被ばく線量等を追跡できるデータベースを構築し、長期的な健康管理を行
うこととしており、①~③の対策を推進するため、厚生労働省は、「福島第一
原発作業者健康管理等対策推進室」を5月20日に設置した。

放射線管理の他、作業者の労働環境等の整備が重要であり、東京電力は、
福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所の作業者の労働安全、健康管
理及び生活環境の改善について取り組んでいる。

(4)復旧作業等に当たる国の職員の放射線管理

① 自衛隊の放射線管理

福島第一原子力発電所の30km圏内で行動する自衛隊員は、あらかじめ
活動予定地域またはその近傍の最新モニタリング結果及び活動予定時間か
ら予測される被ばく線量を見積もり、簡易防護服(タイベック)等の着用
等必要な処置を講ずることとしている。

また、活動の間、保有する線量率計により随時モニタリングを実施する
とともに累積線量を確認することとしている。個人の累積被ばく線量の上
限は50mSv(放射線業務従事者の被ばく限度。女性隊員は3月間で5mSv)
とし、活動中に30mSvを超えるおそれのある場合、帰還線量(累積被ば
く限度内に戻れる線量)を考慮し活動を一時中止し帰還することとしてい
る。(女性隊員は3mSv)。
なお、人命救助等緊急やむを得ない作業を実施する場合の累積被ばく線

量は250mSvを上限としている(女性隊員は除く)。

5月31日現在、上記被ばく線量を超えた自衛隊員はいない。

② 消防隊の放射線管理

福島第一原子力発電所の20km圏内で活動する消防職員は、簡易防護服
等の個人装備を装着した上、消防庁の活動対策マニュアルに記載されてい
る被ばく線量限度等を参考に各消防本部で設定した線量を上限としてでき
る限り被ばく線量が小さくなるよう、空間線量率や積算線量を計測しなが
ら、消防活動を実施している。

なお、消防庁の活動対策マニュアルでは、被ばく線量限度として、人命
救助等の緊急時活動においては100mSv(警報設定値は30~50mSvの範
囲で設定)とし、繰り返し活動を行う場合は5年間に100mSv(ただし任
意の1年に50mSvを超えるべきではない)としている。

福島第一原子力発電所の20km圏内で活動する消防職員は、活動終了後
の被ばく線量を測定しているが、5月31日現在、被ばく線量限度を超えた
消防職員はいない。

2.周辺住民の放射線被ばくへの対応及び状況

(1)安定ヨウ素剤の配布等について

① 安定ヨウ素剤の確保状況

福島県においては、既に配備されていた市町村に加え、東京電力福島第一原子力発電所から50km圏内に行政区域を持つ市町村に対し、必要な安定ヨウ素剤を配備した(錠剤:約151万錠(約75万人分)、粉末:約6,100グラム(約12~18万人分))。

これは、福島県の50km圏内に相当する地域の市町村の人口約69万人分を超える量に相当(いずれも40歳未満)している。

② 避難住民への配布・服用の考え方

避難住民の安定ヨウ素剤の服用については、原子力安全委員会の助言を得つつ、原子力災害現地対策本部長が関係市町村に服用の指示を行うこととしており、指示を受けた市町村は住民に対して安定ヨウ素剤を配布し、医療関係者の立会いのもと、服用することとなっている。これは服用に伴うヨウ素アレルギーなどの副作用の懸念があることによる。

安定ヨウ素剤は市町村役場で保管されているが、実際の避難の際に確実に住民に配布できるよう段取りを決めておく必要がある。この場合において、住民への安定ヨウ素剤の事前配布は適切でないため、市町村においては、以下の避難パターン毎に確実に配布・服用できるよう、必要な体制を取ることとしている。また、住民への周知徹底に当たっては、いたずらに不安を煽ることのないよう留意することとしている。

<避難パターン>

ⅰ 避難バスを使用する住民
避難先の避難所又はバス内で配布・服用。

ⅱ 病院等の入院患者の住民
病院等又はバス内で配布・服用。

ⅲ 個人で避難を行う住民
避難所又はスクリーニングポイントでの医師の判断(年齢・避難時間等を考慮)により配布・服用。

③ 安定ヨウ素剤服用の指示に関する対応状況
3月12日に、原子力災害対策本部長から福島県知事及び周辺43町に対し、20km圏内の避難指示がなされた。避難が進展する中、3号機の水素が原因とみられる爆発(3月14日)等により放射線量が増加する可能性が否定できなかった。このため、原子力安全委員会からの助言である、避難区域(半径20km圏内)に残留している住民の避難時における安定ヨウ素剤の投与を推奨する等を踏まえ、3月16日に、原子力災害現地対策本部長が、福島県知事等に対し、「20km圏内からの避難時」に安定ヨウ素剤を服用するよう指示した。この指示は、避難が完了していると認識していたものの、避難できない住民が残っている場合を想定した念のための措置である。しかし、指示した時点においては、避難は既に完了していたため、本指示文書に基づいて安定ヨウ素剤を服用した住民はいなかった。また、3月21日には、同本部長から同県知事等に対し、安定ヨウ素剤投与に当たっての注意事項を指示した。  <---避難完了してたのでヨウ素剤服用させなかったというけど、じゃあなぜ長崎大学がまとめたレポートでは4割の避難民が内部被曝してるというj結果がでた??

(2)スクリーニング及び除染の基準及びその方法

福島県は、3月13日、文部科学省から派遣された被ばく医療の専門家及び放射線医学総合研究所の医師等の意見、及び福島県立医科大学の取扱いを踏まえ、全身除染を行う場合のスクリーニングレベルを100,000cpmとし、13,000cpm以上、100,000cpm未満の数値が検出された場合には、部分的な拭き取り除染を行うこととした。

一方、原子力安全委員会は、3月19日、それまで10,000cpmとしていた除染のためのスクリーニングレベルを100,000cpmとした。これは、その実効性に鑑み、国際原子力機関(IAEA)が「放射線緊急事態の初期対応者へ

のマニュアル」[Ⅶ2-1]において規定した一般住民の体表面汚染に対する除染の基準である1時間当たり1μSvマイクロシーベルト(10cm離れた場所での線量率)というスクリーニングレベルに変更するものである

注)計測値は、TGS-136型GMサーベイメータ(5cm口径)を用いて計測した時の値。

(3)周辺住民の放射線被ばくの状況

住民の汚染に関し、福島県は、原子力災害現地対策本部と協力し、同県内において、20km圏内から避難してきた者を含め、同県の住民に対するスクリーニング調査を実施している。5月31日までに実施した195,354人については、ほとんどの者が除染を必要としない100,000cpm以下であった。なお、102名が除染の必要なレベルである100,000cpmを超えていたが、除染後、問題のないレベルに低下した。

また、原子力災害現地対策本部は、現在の被ばく線量の把握、特に感受性の高い小児への健康影響をより正確に把握するため、福島県と協力し、3月26日から3月30日にかけて、いわき市、川俣町及び飯舘村において小児の甲状腺被ばく調査を実施した。実施に当たっては、SPEEDIの試算(3月23日公表分)を踏まえ、屋内退避区域あるいはSPEEDIを用いた試算で甲状腺の等価線量が高いと評価された地域の小児を対象とすることとし、測定法について原子力安全委員会の助言を受けた。その結果、小児甲状腺被ばく調査を実施した0歳から15歳までの1,080人の小児について、スクリーニング
レベルとした0.2μSv/h(一歳児の甲状腺等価線量として100mSvに相当を超えるものはなかった

3.放射線被ばくの状況の評価

放射線防護の目的は、個人の確定的影響の発生を防止し、確率的影響の発
生を制限するためあらゆる合理的な手段を確実に取ることである。

(1)事業者における放射線被ばく状況の評価

事業者は、あらかじめ定められた計画に基づき、放射線業務従事者の放射
線管理を適切に行う責務を負っている。今回の事故では、津波によりAPD
が使用できなくなり、放射線管理システムが機能を喪失している。さらに、
事故の進展に伴い、原子力発電所施設内のみならず敷地内の放射線レベル、
汚染レベルが高くなっている。

放射線業務従事者の放射線管理を適切に行うためには、正確な線量管理を
行うことが基本である。しかしながら、上記により、線量計の数量が不足し

たため、環境線量が低い作業などでは作業単位毎に代表者に装着させるなど
の対応を取った。線量計の数量が不足したことに対して、東京電力は、全員
に線量計を持たせられるよう早急に対応するべきであった。

また、システムの機能喪失により、個人線量の評価は人手による記録に頼
ることとなり、また、APDによる各個人の線量の計測ができず、行動記録等
に基づく評価となっており、従来と同等の放射線管理の体制が構築されるま
でに時間を要している。

さらに、免震重要棟内に放射性物質を持ち込ませないための管理が遅れる
とともに、同棟内の空気中放射性物質の濃度測定が遅れ、内部被ばくによる
リスクを増大させる結果となった。

福島第一原子力発電所は、バックグランドレベルの上昇に伴い、ホールボ
ディカウンター(WBC)の使用ができない状態となったため、車載型のWBC
を借り受けて測定するとともに、他の発電所での測定も並行して実施して、
内部被ばく評価を進めてきているものの、測定対象者が多く追いつかない状
態である。このため、他の発電所等においてWBC測定を行い、内部被ばく
の評価を行っているが、十分な測定体制を構築できていない。

そのため、東京電力では、外部被ばく線量の高い作業者並びに3月に緊急
作業に従事した作業者を優先的にWBCによる測定・線量評価を実施してい
たが、内部被ばく線量の評価で、現在時点で2名の作業者において甲状腺の
体内放射線量(ヨウ素131)が高いことが確認された。これらの者に対して
は現在線量評価を行っているところであるが、緊急時対応における線量限度
250mSvを超えるおそれがある。また今後も、内部被ばく評線量価の進捗に
伴い、3月の事故直後に作業に従事した者の中には、線量限度に近いあるい
は超えるおそれがあると評価されるケースが発生する可能性がある。東京電
力においては、3月に緊急作業に従事した作業者の内部被ばく評価を速やか
に実施する計画としている。

なお、東京電力は、7月以降、福島第一原子力発電所及び福島第二原子力
発電所にあるWBCをJビレッジに移設し、また、新規購入等を行い、Jビ
レッジに測定体制を整備する計画である。

福島第一原子力発電所では、放射線量の上昇に伴い、非管理区域も管理区
域として管理することが求められる事態となった。このような経緯の中で、
放射線業務従事者として指定されていない作業者が、管理区域と同等な管理
を行うべき場所で業務を行い、公衆の線量限度である年間1mSvを超えるこ
ととなった。これは、放射線管理を行うべき対象エリアの拡大に合った個人
線量管理が、当初できていなかったためである。

(2)周辺住民の放射線被ばく状況の評価

住民が受けた放射線量の評価に関しては、今後、福島県が主体となり、関
係省庁及び独立行政法人放射線医学総合研究所等の協力を得て対象地域内で
の調査を行い、別途調査された放射性物質の放出状況などの結果と重ね合わ
せて、各住民が受けた放射線量の推定評価を行うこととしている。

調査対象者は福島県民約200万人を想定しており、福島県が行う健康管理
調査の一環として実施する。震災に伴い各地に避難者が分散していることか
ら、まず現住者および原則として避難先が把握可能な避難者等、実行性の高
い者から調査を行う予定である。

(3)緊急被ばく医療体制の評価

今回の福島第一原子力発電所事故に際しては、緊急時作業にあたった者等
が、念のため第三次緊急被ばく医療機関である独立行政法人放射線医学総合
研究所へ搬送されたケースがあったが、いずれも三次被ばく医療として扱う
ほど重篤なものではなかった。

今回の東日本大震災に起因する原子力災害においては、大地震や大津波へ
の対応も同時発生しているという従前の原子力防災対策の想定以上の対応を
要する事例であったため、地方自治体は、まず、大量の傷病者発生時の患者
受け入れに関する、全国の大学病院等の医療機関との連携による体制の強化
を図った。

このため、二次被ばく医療機関である福島県立医科大学をはじめ、県内の
主だった医療機関は同時に災害医療の現地派遣等の災害医療対応も余儀なく
されている複合的な非常事態下にあり、実際に緊急被ばく医療が必要となっ
た時に、地域防災計画において事前に想定していた現地における対応と比し
て十分な対応が出来なかった可能性はあったと思われる。

しかしながら、現地対策本部が中心となって被ばく医療体制を直ちに再構
築し、三次被ばく医療機関をはじめ大学病院等の関係する機関との連携によ
る対応体制を強化したことにより、被ばく医療体制は必要な機能を果たして
いるものと考えられる。

参考文献

[Ⅶ2-1] 国際原子力機関(IAEA):Manual for First Responders to a
Radiological Emergency(放射線緊急事態の初期対応者へのマニュ
アル)
http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/epr_Firstresponder_web.pdf#search=’manual for first responders to a
radiological emergency’

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