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H16.03.11 吉井議員(共産)、ジェー・シー・オーの事故や東京電力の不正事件などの内部告発者の保護

国会議事録 3.11以前の原子力発電所問題
159-衆-内閣委員会-15号 平成16年05月19日
質問者:日本共産党・吉井英勝議員

〇吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
私、前回のときに、九九年十一月の原子炉規制法のことを、あれはジェー・シー・オー事故から来たわけですが、取り上げました。そのとき、この改正したものについて結局どういうふうに検討したり検証してきたりしたのかということもあわせて伺っておきましたが、最初、これに少し関連して伺っておきたいと思うんです。
今も出ておりました東京電力。これは、九九年十一月の原子炉規制法の改正があって、六十六条の二が入って以降の話なんですね。
GEから告発があり、それから二年間放置していたんです。告発の方は、これは六十六条の二の第一項で、「従業者は、その事実を主務大臣に申告することができる。」ということに当たるわけです。そして、二年間放置されて、実は告発した人を業者に漏らしてしまったんですね。ですから、それは、六十六条の二の二項、「前項の申告をしたことを理由として、その従業者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」実はこういう規定が原子炉規制法にちゃんと入ったのに、この方は退職に追い込まれているんですね。ですからこれは、国の方がばらしたことも問題だし、内部告発者が保護されなかったことも問題なわけです。
六十六条の二の二項の場合は、第八章、罰則の中で、第七十八条の四で、六十六条の二の第二項の規定に違反した者については六月以下の懲役または五十万円以下の罰金に処するとあるんですが、こういうきちっとした、不当な取り扱いを受けた内部告発者が本来守られるためのペナルティーについても、結局そういうこともないままに、その後東京電力不正事件はどんどん拡大したわけです。
そこで、こういった六十六条の二については、四百八十九本の中の一つに今リストアップしてやっておられるんだけれども、実際に今度これを仮に組み込んでやっていくとしたときに、では国はどうするのか、企業はどうするのか、内部告発した人は結局のところ今度はどうなるのかということを、例えば今の東京電力の事例などを中心にやはりきちっとした吟味をしてやらないことには、法律上は、既に九九年十一月に原子炉規制法改正で内部告発者保護は入ったはずなのに、実は保護されなかったという、この現実があるわけです。
この点については、二日前に既に私はこの法律については提起しているんですが、まず、どういう検討をしておられるのか。最初にこのことを伺ってから、きょうは次の質問に入っていきたいと思っているんです。

〇永谷政府参考人 御指摘がありました原子炉等規制法を政令の対象に入れるかどうかということについては、今の段階ではまだ検討しておりません。

〇吉井委員 えらい話なんやね。それを政令に入れるかどうかもわからない、検討もしていないと言うんですが、しかし、もともとこれは内部告発者保護の法律として九九年十一月の改正で入れたわけですよ。これ自身がどのように運用をされて、どのように成果を上げることができたのか、あるいはできなかったのか。やはりそういうことをきちんと吟味しなかったら、新しい法律をつくってみたところで、そもそも、はなから生きてこないじゃないですか。
だから、そのことについてどういうふうに検討されたのか、政令に入れる入れない以前の話だと思うんですが、どうなんですか。

〇永谷政府参考人 原子炉等規制法を所管しております経済産業省等と、先ほど御説明いたしましたけれども、個々のガイドライン等がどのような決め方になっているかとかいうようなものも含めて、その制度の運用状況等についても必要に応じて意見交換をさせていただいているということであります。

〇吉井委員 委員長も首をかしげてはるように、大体、私、ジェー・シー・オーの事故だとか東京電力の不正事件そのものを聞くんだったら、ここへ経済産業省の人に来てもらって、ちゃんと通告しておいてやるんですよ。問題は、そういう個々の原子力施設にかかわる事故だ、問題だというのをやっているんじゃないんです。
法律そのものが既に、九九年十一月ですから、もう五年ほど前のあの法律改正のときに、内部告発者保護のこの規定をわざわざ入れたんです、罰則で担保もしたんです。
今度の場合は、例えば内部告発をした労働者が不利益を受けるようなものについて、その回復の問題にしても、それから、そもそも外国の法律の中には内部告発者に対して制裁を加えること自体を重大な犯罪と見て対応するものまであるぐらいの中で、だから、この原子炉規制法の内部告発のものについてどれだけ検討して、それをこの新しい法律に生かそうとしてきたのか、そのことが本当に問われていると思うんですよ。それが、どうもお話を聞いていますと大変のんきな話で、とてもじゃないが、これでは。
大臣、こういう、せっかくつくった法律についてのきちんとした吟味、検討もないままに、それで新しい法律をつくって、あなたはこれが生きたものになっていくとお考えですか。

〇竹中国務大臣 原子炉等規制法関連に関しましては、きょうの私に対する質問通告の中ではいただいておりませんので、大変申しわけありませんが、事実関係も含めて、私自身はちょっと個々の状況について知る立場にはございません。
もちろん、今回お願いしておりますこの法案に関しましては、いわばアンブレラに相当するような一般的な法律でございまして、原子炉等規制法での公益通報の話というのはいわば個別の案件になりますので、それにつきましては、この法案の組み立てに当たって、経済産業省等々からいろいろな事例も勉強してこの法案を組み立てたというふうに聞いております。
より詳細について情報が必要だということでございましたら、改めて宿題としていただきまして、私の方からまた御報告をさせていただきたいと思います。

〇吉井委員 私は、個々の話だったらあなたにももうちょっと言っておくんですが、そうじゃなくて、既にある、今度も資料その他でも書いておられるんですから、調査室から出ているものにもありますよ。だから、五年前の内部告発について決めたもの、それがどのように吟味されて今度生かされておるのかということなしには、新しい法律をつくったって生きてこないじゃないか、それどころかマイナスになることが十分あり得るわけですから、そこをきちんと見なきゃいけないということを言っているわけです。全体がアンブレラとおっしゃったが、どうも破れ傘と言った方がいいんじゃないかと思います。
それで、今の件は次の機会に大臣とまたやろうと思いますが、前回の質問に続いて、私は、五つのハードルで外部への公益通報は極めて困難になるということを指摘しました。それは、四百八十九本の法律で罰則のあるもの、通報事実がまさに生じようとしている場合、企業内部や行政機関に通報する場合とし、その要件に、さらに第三条三号でマスコミや国会議員、労働組合、NGOなど外部への通報に厳しい要件を設けて、いずれかの要件に該当しなければ通報しても保護されないという、この問題を前回も取り上げました。
そこで、そのことに関連して幾つか伺いたいと思うんですが、三条三号イの「公益通報をすれば解雇その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある場合」という要件ですが、通報するときに、将来不利益取り扱いが行われるということに相当な理由があることを立証することは極めて困難だと思うんです。通報時に、解雇されるとか不利益になるかならないか、これは通報者はわからないと思うんですが、これはどういうふうに判断すればいいんですか。

〇永谷政府参考人 御指摘の三条三号イの要件をどういうふうに立証するかという御質問であります。
この三条三号のイというのは具体的にどういう場合かということでありますけれども、例えば、過去に自分の同僚でありますとかが事業者内部あるいは行政機関に通報したところ、不利益な取り扱いを受けたような場合というのを念頭に置いております。
したがいまして、そういうケースをどういうふうに立証するのかということでありますけれども、もちろん一概にはどうこう言えないんですけれども、あえて申し上げれば、「不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由」として、例えば、当該事業者における過去の通報事例でありますとか、通報者の保護に関する社内規定が整備されているかどうかとか、未整備になっている、整備されていないということを示すというようなこと等を積み上げていくということであります。

〇吉井委員 今、法律をつくろうとしているのよね。過去に通報して不利益を受けていて、それが公表されていればもちろん参考になるんです。しかし、そもそも過去に事例がない場合、過去に事例があってもその不利益は公表されていないという場合、あるいは裁判でもやって判例があるとか、直接裁判をやった人ならわかるかもしれませんが、まず一般的にはわからない。
過去の例があればまだそれはおっしゃるように参考になるかもしれないが、通報が初めてでは、そもそも不利益を自分が受けることになるかどうかは全く判断がつかないと思うんですが。どうもあなたのお話じゃ判断がつくみたいなんだけれども、どうして通報が初めての人が不利益を受けるかどうか判断がつくんですか。

〇永谷政府参考人 その社内に帰属している労働者であります。したがいまして、その労働者が過去にどういうことがあったかというのは、ある程度のことはわかり得る立場にあるというふうに考えております。

〇吉井委員 これも全くひどい話で、そんな、過去に全くなかった事例で、新しく不正なりこれは内部告発しなきゃいけないと思ったような、そういうことはこれからも起こってくるわけですよ。だから、過去に事例がない。そのときに、自分がどのように不利益を受けるかどうかは全くわからないと思うんですね。
裁判になれば客観的立証が必要となってくるし、不利益をいまだ受けたことも受けた事例も知らないという通報者が、どうして客観的に「解雇その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある」という場合を立証することができるのか。もう少し納得できる説明、立証できるということを説明してほしい。

〇永谷政府参考人 通報先としては、内部への通報、行政機関への通報、それから事業者外部への通報というルートが用意されております。まず社内に通報してみられたら、それがどのような扱いを受けることになるかというのを見る意味でもやっていただいたらいかがでしょうか。

〇吉井委員 どうも変な話で、企業内でも、役所へ言ってもいいし、外部ルートでもいいから、とりあえず通報してもらったらというお話なんですね、今の答弁は。これは本当にひど過ぎると思うんですよね。要するに、納得できる説明なんというようなものはできないということだけはっきりしました、答弁の方で。
次に伺っておきますが、内部告発、内部通報すれば証拠隠滅、偽造、変造されるおそれがあると信ずるに足る相当の理由がある場合としているわけですね。通報時に、将来証拠隠滅が行われるということをどうして客観的に判断するあるいは証明することができるんですか。

〇永谷政府参考人 三条三号ロの要件でありますけれども、これは、具体的な事例としては、事業者ぐるみ、会社ぐるみで法令違反行為をやっているという場合があるというふうに思っております。それをどういうふうに立証するかということでありますので、まさに証拠隠滅等のおそれがあると信ずるに足りる相当の理由ということで、例えば、社長でありますとか担当役員が関与して法令違反行為が行われているという事実、それから、法令違反が生じていることを社長や担当役員が知りながら放置されていることなどを示すというような作業になるんだろうと思います。

〇吉井委員 きょう何度も出ています例えば三菱自動車の例ですね。トップは知っていたわけですよ、証拠隠滅を図っておったわけですね。そして、整備不良だ、こういう主張をしていたわけです。そもそも事実を認めないんです。証拠隠滅もくそもないんですよ、事実を認めてないんですよ。
それを普通の労働者がどうもおかしいなと思って告発しようにも、通報時に将来証拠隠滅が行われるということを客観的に証明するというのは、あなたは極めて頭が優秀な方でできるのかもしれないけれども、普通はそういう証明はできないと思うんですが、どうなんですか。

〇永谷政府参考人 今、三菱のお話をされました。そういうようなケースであれなんですけれども、労働者というのは全くその会社の中で情報が遮断されているかといったら、そういうことはないですよね。今回の三菱の話でも、社内の調査報告書というのがあったということはわかっているわけでして、そういうものを用いながら立証するというのはそんなに難しいことではないんじゃないかというふうに私は思っております。

〇吉井委員 今のお話を聞いておりますと、三菱の普通の労働者は久しい以前からこの不正事件を知っていながら、何か、そういう報告書にもアクセスすることもできて事実を知っていながらだれも告発をしなくてこういう事態になってしまったような感じがしてしまいます。私は、本当にとんでもない話だと思うんですよ。
次に、労務提供先から口どめされることということについても伺っておきたいんですが、正当な理由がなく労務提供先から通報しないように要求された場合、直接、通報をやめることを口どめするということは、本人が通報しようとしていることを会社が知っているということが前提なんですね。しかし、こうした法律ができれば、実際には、直接、面と向かって通報するなと要求されることは余りなくて、上手にやると思うんですね。企業のやり方としては、しっぽをつかまれないように、陰湿なやり方で圧力が加えられてくる。こうしたケースを労務提供先から通報しないよう要求された場合として客観的に立証していくというのは、やはりこれも難しい話なんじゃないですか。

〇永谷政府参考人 ここで言っております口どめされた場合という話でありますけれども、例えば、既に通報対象事実がなくなっている、それを本人が知らないで通報しようとした、それに対して、その上司とか社長から、もうそれは終わった話だからやめてくれよとかいうような形で言われるというようなケースが該当すると思っております。

〇吉井委員 何か、あなたの話を聞いていると、都合のいい話ばかり作文して言っているんだけれども。
要するに、この法律ができると、労務提供先は、口どめするとやはり直接外部ルートで告発されるということがわかりますから、ですから、非常に陰湿なやり方で、直接、面と向かって口どめはしないけれども、非常に陰湿な圧力が加えられて、なかなか物が言えなくなる。しかし、思い切って、労務提供先から通報しないよう要求された、口どめされたんだということで外部へ話をしようとしても、それを客観的に立証するのはできないんですよ。
できると言うんだったら具体的に、これは時間がありませんから、この場合全部できますという事例をちゃんと出して、次の質問のときまでに私の部屋へ持ってきていただきたい。そういうことは客観的に立証できないんですよ。それをできると言うからには、その事例をきちっと出してもらいたいと思います。
次に、内部通報後二十日以内に調査を行う旨の通知がないこと、正当な理由がなく調査しない場合ということですが、事業者が二十日以内に通報者に調査すると回答する、しかし一向に調査が進まない、あるいは調査を放置する、うやむやにしてしまう、こういうケースが想定されるわけですが、しかし、その内情を通報者は実は知ることはできないんじゃないでしょうか。内情を知ることはできるんでしょうか。

〇永谷政府参考人 通報した人が、その通報がどういうふうに事業者の中で取り扱われているかということが明らかでないんじゃないかという御指摘でありますけれども、通報した人というのは、その通報がどういうふうになっていますかというのは、事業者に対して、当然のことながら、聞いたりすることというのはでき得るわけですね。だから、それで、ある程度はどういうような取り扱いがなされているかというのは把握できるんじゃないかというふうに思っております。

〇吉井委員 それは、中小の町工場だったら、あなたのおっしゃるイメージ、大体わかるんです。しかし、巨大規模の中で、そう簡単にいく話じゃないですよ、これは。
では、通報者は調査の状況を事業者に求めることができるというお話ですが、通報者が調査状況について回答を求めた場合に、事業者は当然通報者に回答する義務がある、今のお答えだったら、そういうことになると思うんですね。それだったら、法律に、通報者の調査状況について要求する権利についてと事業者の回答する義務について規定しておかないと。どうですか、やはりきちんと示してこそ、それがはっきりしなければ、外部ルートということがはっきりしてくるわけなんですが、なぜそれをきちんと規定していないんですか。

〇永谷政府参考人 従業員から、労働者から事業者に対して通報がなされる、それに関するもろもろの問い合わせ等があるという場合に、それに対して事業者がきちんとした対応を行わないということであれば、それは外部通報がなされるということになってくるわけですね。そういうような事態を事業者としては避けるためにも、通報者に対して通知をするなり、あるいは、今どうなっているのという問い合わせに対して答えるなりというのをやるということであります。
事業者がどういうようなことをやるかということは、これは先ほど来議論になっていましたけれども、義務ということではなくて、努力義務という形にさせていただいております。

〇吉井委員 努力義務ということで、結局、きちっと回答義務を規定していないということになっているわけです。
その場合、今度は行政機関に通報した場合ですね。必要な調査を行い、犯罪行為等の事実があると認めるときは、法令に基づく措置となっているんですが、通報者に対して、調査結果、是正措置の内容、犯罪行為がないと判断した場合はその理由を通知する規定がなくて、通報がどのように処理されたか明らかにされませんが、行政機関が犯罪行為等の事実がないと判断したら、どのような調査を行ったのかわからないということになってくる。
一定期間後に、通報者に対して、調査内容、措置内容について報告するようにするべきだと思うんですが、することになっていますか。

〇永谷政府参考人 法文上はそういう規定は置いておりませんけれども、先ほども申し上げましたけれども、原子炉等規制法の運用要領等に応じて、調査の中身でありますとかその他の公表事項等について、適宜周知を図っていくというふうに考えております。

〇吉井委員 そこで原子炉の話を出したってだめなんですよ。五年前の改正の後、内部告発しても、告発者の名前を漏らしてしまったり、二年間何もしていなかったという実績があるわけですから。だから、原子炉関係だったらこういうふうにやりますという話は全然通らないということを言っておきたいと思います。
次に、人の生命、身体への危害が発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合。このときは外部に漏らしていいということですが、まれなケースしかないのではないかと思うんですが、何か想定しているものがあれば聞かせていただきたいと思います。

〇永谷政府参考人 例えば、安全規制に違反した食品が売られているようなケースというのを念頭に置いていただければと思います。

〇吉井委員 大体、多くの場合は、人の生命、身体に危害が発生する急迫した危険がある。あなたは結局、今とりあえず一つ出されたんだけれども、まれなケースなんですね。結局は、想定は困難だが結果として生命、身体に危険が及ぶというものが、例えばあのジェー・シー・オー事故の場合もそうなんです。犠牲者が出ました。しかし、あれは、私、前回お話ししましたように、原子力安全審査の過程でとか、あるいは企業の中でこの工程はおかしいということできちんと早くに内部告発して是正が図られたら、犠牲者が出ることはなかったんです。
けさ、参考人の質疑のときに「もんじゅ」の例を挙げましたが、あれは、町工場の技術屋さんが、こんなことをやっておったら流力振動で温度計の細管は破損する、当然ナトリウムが漏れて漏えい火災事故を起こすと。あの「もんじゅ」事故ですね。早くに内部告発が外部ルートにしてもあれば、こういうことは招いていないんですよ。しかし、それは、町工場の技術屋さんには、大手の原発メーカーの若い技術屋さんが行って注文はするけれども、注意を受けても、大丈夫だということで突っ走ってやってしまっているんですよ。三菱ふそうトラックについても、早くに是正しておれば犠牲者は出ていないんですね。
だから、人の生命、身体に危害が発生する急迫した危険という、この急迫した危険の場合だけに限ってしまうと、結局、多くの場合は後からたくさんの犠牲者が出ているんですよ。
だから、大事なことは、こういうハードルを設けないで、早くに外部通報を可能として、そのことによって、企業の方も、ジェー・シー・オーのように倒産というふうなそういうコストを払わなくてもいいように。そして、ジェー・シー・オーの場合などは、風評被害についても、結局、茨城県民の中で農家の方たちが風評被害を受けているんですよ。何か、内部告発があって企業が風評被害で困るような話じゃないんですね。ああいう事故のために風評被害を受けたのは国民なんですよ。そこのところをきちっと踏まえて考えていかなきゃならぬというふうに思います。
法案は、結局、これら外部通報の要件は、公益を侵すような悪いことをした事業者を批判する立場でなくて、逆に、外部通報した労働者が形式的手続を守っているかどうか、守られているかどうかだけで、通報者を保護するかどうかを審査の対象とする性格の規定になっていないというところがやはり根本的な問題だと私は思います。
最後に竹中大臣に伺っておきますが、そもそもこの法律は何のためのものかということが一番大事なところだと思うんですね。企業のコンプライアンス経営の枠の中に抑え込むためのもの、企業活動の自由のためのものなのか、そうじゃなくて、国民の生命、身体、財産等の利益を守るための法律なのか、やはり根本が問われていると思うんですよ。
私も例に挙げましたように、三菱の問題にしても、ジェー・シー・オーにしても、「もんじゅ」にしても、雪印にしても、経営トップがやはり、失礼だが、実際にいいかげんなことをやっておったわけですよ。内部ルートだけでは正せなかったというのが現実なんです。結果として、会社が倒産したり、あるいは茨城県の農家のように風評被害を受けたりとか、そういう問題が起こっているんですから。だから、外部ルートを含めて、早く事実が表へ出て、是正措置が早くとられることが、結局は、企業にとっても社会的責任を果たすことができるし、企業も信用を失墜する前に問題解決ができるし、倒産等もなかったと思うんですね。
だから、法律をつくるときは、国民の利益を中心にした法律にすることが同時に企業の自由な経済活動にとっても大事なことだ、そういう立場でこの法律を考えていかなきゃいけないと思うんですが、最後に、この点、竹中大臣の考えというものを伺っておきたいと思います。

〇竹中国務大臣 吉井委員が最後におっしゃった、早くいろいろな措置を、まさに不正な措置を防ぐことによってそれが公益を守ることになるし、結果的にそれによって企業もメリットを受けるはずである、まさに私もそのとおりだと思っております。それがまさに公益、この法律が目指すところ、そうした場合に労働者が不利益な扱いを受けることのないようにということなわけでありますが、そのときに、これは先ほど横路委員にも御議論をいただきましたけれども、一方での風評のリスクとか、私はそれをコストというふうに呼んだわけでございますけれども、そことのやはりバランスはとらなければいけないということなのだと思います。
そうした場合に、実は、もちろん風評リスクをどのようにはかるかということもありますでしょうし、しかし、野党の皆様の修正の案にも結局のところは内部に対する通報と外部に対する通報では差異を設けているわけですから、そこはやはり、そうしたコストをちゃんと皆バランスをとろうとしているということだと思います。もちろん、バランスのとり方がきついか甘いか、それに関しては、私どもの案に対する御批判もございましょうし、いろいろな違った考え方があるということはきょうの審議を通じても私どもも理解をしておりますが、その意味では、委員のお尋ねに対しては、目指すところはまさに公益をしっかりと守ることなのであって、その場合に労働者に不利益な扱いをしないということなのであって、もって我々の自由な経済社会活動がよりよく円滑に運営されるような仕組みをつくっていく、そのようなことであろうと思っております。

〇吉井委員 時間が参りました。本日は、これで終わります。

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