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【カテゴリ別記事】 原子力政策 +福島原発事故

Newsポストセブン」さんより http://www.news-postseven.com/

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1.3.11事故対応
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◆政府が非公開にした福島第一原発3号機の惨状写真極秘入手

http://www.news-postseven.com/archives/20110513_20010.html
2011.05.13 07:00
政府が非公開にした福島原発3号機の写真
写真は、4月中旬に東芝の部隊が福島第一原発を近接撮影し、官邸に提出したものだ。政府は「厳秘(厳重秘密)」とし、いまなお公開していないが、本誌『週刊ポスト』はあるルートを通じて入手した。
政府関係者は「新聞等では1号機と4号機の話ばかり書かれているが、実は一番深刻なのは3号機だ」という。
実際、3号機の惨状は目を覆うばかりだ。鉄骨はいびつに折れ曲がり、圧力容器の上蓋を開けるスタッドテンショナーも崩れている。重さ10トンの天井クレーンは4階に崩落し、燃料プールにダメージを与えた可能性もある。東電の大幹部は、事故現場を視察したとき、3号機を見て、言葉を失ったという。
これら未公開写真から新たにわかる事実はないか、日本システム安全研究所の吉岡律夫氏に鑑定を依頼した。吉岡氏は東芝勤務時代に原子炉12基の安全設計を担当したエキスパートだ。
なぜ3号機はこんな惨状を呈することになったのか。吉岡氏は、建屋の屋根自体は内部で圧力が高まったときに吹き飛ぶよう設計されたものだとした上で、こう指摘した。
「3号機の鉄骨が曲がったのは、水素の量が多く、大きな爆発になったからですが、4階の壁まで崩壊しているのは、燃料プールの燃料が高温になったからと考えられます」3号機と同じ設計の4号機では、3階にあったディーゼル燃料が発火したが、燃料プール内の燃料棒が溶融し、1メートルのコンクリート壁で隔てた油が300度以上にまで熱せられたということ。3号機でも同様の事態が起きた可能性があるという。
「1号機の水素爆発と4号機の使用済み燃料の溶融が両方とも起きたような状態。この破壊規模から考えれば、燃料プールが損傷していたとしても不思議ではありません」(吉岡氏)
東電は4月17日に「冷温停止まで6~9か月かかる」との工程表を発表した。しかし、もし余震で燃料プールに亀裂が入り水が漏れ出すと、燃料が再び水から露出し、漏水で建屋内の汚染も深刻化する。政府はこの写真と事実を早急に公表すべきではないか。
※週刊ポスト2011年5月20日号

◆安全対策3原則のうちひとつしかできなかった福島第一原発
2011.03.17 07:00
事故により深刻な事態を迎えている福島第一原子力発電所。原発の安全対策の3原則は、「止める」(緊急停止)「冷やす」(炉心の過熱を抑える)「閉じ込める」(放射性物質が漏れ出さないようにする)の3つといわれている。しかし今回、福島第一原発ができたのは、最初の「止める」だけだった。京都大学原子炉実験所・小出裕章助教はこう説明する。
「原子炉内は常に冷やすことが必要です。ところが地震や津波の影響で、熱を冷ますための水を注入する装置が働かなくなってしまった」
今回は、福島第一原発6基のうち、運転中だった3基が冷却必要な事態に陥った。まず、12日午後、1号機で水素爆発が発生。3号機も1号機とまったく同じ経緯をたどり、14日午前に1号機よりも激しい水素爆発を発生。続く2号機は、爆破はしなかったものの、14日午後に政府が冷却作業を決定。
1~3号機すべてに海水の注入が開始された。
「海水の塩分が原発の精密機械に影響を与え、もう二度と使えなくなる可能性もあります。相当の非常事態といっていいでしょう」(原子力発電所関係者)
※女性セブン2011年3月31日・4月7日号

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2.国家原子力政策
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◆http://www.news-postseven.com/archives/20110331_16160.html
原発事故の原因の一つ 東電社内人事で原発専門家追放の過去
2011.03.31 16:00

東日本大震災で損傷した東京電力福島第一原子力発電所への外部電源の復旧工事、そして、放水・冷却作業。被曝覚悟で決死の活動を展開している現地の東電、メーカー、下請け業者、自衛隊、警察、消防の方々には心から敬意を表したい。大前研一氏はそう語りながらも、「だが」――と、問題の本質を以下のように指摘する。

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そもそも日本政府は、原子力産業を推進するといっておきながら、民間企業の電力会社にすべての責任を押しつけてきた。電力会社の原発関係者は、立地に反対する地元住民の罵声を浴び、石を投げられながら必死に説得を試み、膨大なコストを払って原発を建設・存続させるための“創意工夫”を重ねてきた。
その結果、1か所に6基も原子炉が集中し、使用済み燃料の貯蔵プールが同居したことで、前代未聞の大事故を招いてしまったのである。
もう一つの“語られざる原因”は、2002年に起きた「原発トラブル隠し」問題で、東電が社内の原子力関係者を忌み嫌い、当時の社長と(福島第一原発所長を20年経験した)常務、およびその部下たちをパージ(追放)してしまったことである。
今や取締役以上は事務系の人が大半で、原子炉の現場関係者はほとんどいない。今回、東電の対応が後手後手だと批判されているが、それは複雑きわまりない原発の内部構造を熟知している原子炉プラントの専門家が上層部にいないからである。
もはや産業としての原発は終わった。国内に新設することはもちろん、海外に輸出することも無理だろう。国内に残っている原発は存続できたとしても、今までの日本的な行政主導のやり方ではリスクが高すぎて民間企業には背負いきれないだろう。
今後も国策として原子力を続けるなら、既存の原発は国が買い取り、国が責任を持って運営すべきである。そうしないのであれば、原子力が担っている30%分の電力を削減する以外に選択肢はない。
※週刊ポスト2011年4月8日号

◆福島第一原発 原子炉6基並ぶ世界に例ない“原発銀座”の理由
2011.03.30 16:00
東電の供給管内ではない福島(東北電力管内)に、なぜ東電の原発があるのか。2007年の中越沖地震で緊急停止した柏崎刈羽原発も、設置は東電だが、所在地は東北電力管内の新潟。両原発ともに、福島や新潟には電気をほとんど供給していない。
日本の原子力発電の歴史は1955年の原子力基本法制定に始まり、1966年に日本原子力発電(※1)の東海発電所(茨城県)が運転を開始した(1998年に稼働終了)。
そして、1970年代に起きたオイルショックが原発建設を加速させる。国が発電の原子力シフトを打ち出したことにより、福島第一原発のほか、関西電力の美浜原発や高浜原発(いずれも福井県)、中国電力の島根原発などが相次いで運転を開始した。1974年には電源三法(※2)が制定され、受け入れる自治体に補助金を交付する仕組みが作られた。
「有り体にいえば、原発建設に反対する住民を懐柔するための法律です。自治体首長たちは、補助金目当てに発電所誘致に名乗りを上げ、住民の間にも誘致が決まれば地元が潤うと賛成する者が増えた。その結果、東電の原発が管内とは別のエリアに建設されるようになった」(経産省OB)
受け入れ自治体にとって電源三法の旨味は、5~6年を要する工事期間にある。経産省が示すモデルケースによれば、建設中は年間80億円近い補助金が交付されるが、稼働後は4分の1に下がる(出力315万キロワット規模の発電所の場合)。固定資産税収入も減価償却で年々減少する。
「誘致した自治体は歳入減を避けたい。“1機誘致したら2機も3機も変わらない”と、新規建設を受け入れていく」(同前)
そして、福島第一にはあのような原子炉が6基も並び、世界に例のない原発銀座ができあがった。
(※1)日本原子力発電/1957年、原子力発電の事業化のために設立された原子力発電専業の会社。現在、東海第二発電所や敦賀発電所の運転操作を行なう。筆頭株主は東京電力。
(※2)電源三法/1974年に定められた「電源開発促進税法」「特別会計に関する法律(旧・電源開発促進対策特別会計法)」「発電用施設周辺地域整備法」のこと。施設周辺の公共施設の整備を促し、地域住民の福祉向上を図ることで、電源立地のメリットを地元に還元することが目的。
※週刊ポスト2011年4月8日号

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3.原子力安全行政機関の倫理
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経産省幹部「法的には東電の震災の損失は利用者転嫁できる」
すでに政府は「安易に免責等の措置が取られることはない」(枝野幸男・官房長官の3月25日の発言)と表明しており、「原子力損害賠償法の例外規定(※1:下記参照)を適用して、賠償金全額を税金で肩代わりする可能性はなくなった」(経産省幹部)と見られている。
だが、数兆円とされる賠償金や、数千億円といわれる福島第一原発の廃炉コスト、さらには新規に発電するための火力発電所建設などの費用は、必ずしも東電が“自ら血を流して”捻出するとは限らない。電力会社の電力料金は、発電や送電に要したコストに一定の利益(現在は3%)を上乗せして電気料金が決まる「総括原価方式」が採用されているため、あらゆるコストを上乗せできる。
「電気事業法の解釈では、代替の発電所はもちろんのこと、賠償金も廃炉費用もコストに組み込まれるだろう。東電が震災に伴う損失をすべて利用者に押しつけることは可能だ」(経産省幹部)
枝野発言と同じ日に、与謝野馨・経財相は首相官邸で開かれた電力需給緊急対策本部で「料金体系を変えるべき」と発言。名うての電力族議員として知られる与謝野氏の発言だけに、「賠償金を電気料金に転嫁しろというサインだ」との憶測を呼んだ。
一方、政府内には東電の「一時的国有化」を主張する声もある。
「賠償問題に対応するために国が東電の株式を買い支え、資本の整理をしてから再び民営化する。ただし、その際には原発を中心とする発電部門はそのまま国有化を続け、東電は送配電業務に集約する案が検討されている」(前出の経産省幹部)
これだけの危機だからやむを得ない策でもあるが、これに仰天したのは当の東電ではなく関電だった。
「東電が発電と送電に分割されれば、関電も発・送・配を独占する正当性がなくなる。特に、東電の原発を国が管理することになったら、関西電力の管内でも“民間ではなく国の管理にしてほしい”という声が上がるのは確実だ。東電の再建プランは、関電の存続さえも危うくしかねない」(関西財界の有力者)
政府内では他にも「東電の完全国有化論」や「国鉄清算事業団方式(※2:下記参照)」などが提案されているが、方針が決まるのはまだまだ先になりそうだ。
※1:同法では事業者(今回は東電)に無制限の賠償責任を定めているが、3条1項に「異常に巨大な天災地変または社会的動乱」の場合に免責される規定がある。
※2:1987年に分割民営化された国鉄は、鉄道業務を行なうJR各社と、債務の償還や余剰人員の再就職促進を行なう国鉄清算事業団に分割された。東電にこの方式を採用し、電力業務を担当する法人と、賠償金支払いや廃炉を担当する法人に分割る案が検討されている。
※週刊ポスト2011年4月22日号

◆http://www.news-postseven.com/archives/20110509_19870.html
原子力安全委「安全性で社会に責任果たせない」と辞任していた
2011.05.09 16:00
3・11東日本大震災の発生後、東京電力や政府や原子力村の学者達は「想定外の天災による事故だった」と語った。本当だろうか。そう疑問を呈するのは、ベストセラー『がんばらない』著者で、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏だ。
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2009年6月に開かれた経済産業省の専門家の会合で産業技術総合研究所活断層・地震研究センターの岡村行信センター長は、約1100年前の貞観津波を例に挙げ、福島第一原発の見直し案を批判した。その当時から、疑問の声はあがっていた。つまり、想定外ではなく、想定内だったのである。
よく調べてみると、いろいろあった。2006年8月の原子力安全委員会の分科会第48回では、島根原発周辺で活断層の見落としがあったとして、大幅な修正が求められた。原子力安全委員会の分科会の委員、神戸大学の石橋克彦名誉教授は対応の鈍さを見て「日本の原子力安全行政がどういうものか分かった。社会に責任を果たせない」として委員を辞任した。
地震大国・日本の原発研究者の中には手厳しい批判をしていた人たちがいたのである。にもかかわらず、お金をかけたくないというコスト優先主義によって無視されていったのだと思う。
福島原発の1~4号機に使っている原子炉は、米・ゼネラルエレクトリック社が作ったもの。1975年にはすでに原子炉格納容器が小さくて脆いと、自身の職をかけて闘った同社の設計者、デール・ブライデンボーという男がいた。彼は冷却機能が失われると内部からの圧力で損壊してしまうと懸念していた。格納容器の貧弱さも、これまた想定内だったのである。
先の石橋名誉教授は指摘していた。
「大地震が起きれば、長時間外部電源が止まって、早急に修理されない可能性もある。激しい揺れで備蓄燃料が漏れてしまうこともありうる。非常用の発電機が立ち上がらない可能性もなきにしもあらず」と。全部、今回の福島の事故が想定されていたのだ。
※週刊ポスト2011年5月20日号

◆http://www.news-postseven.com/archives/20110513_20212.html
「原発の『想定外』は責任逃れのために作った指針」と専門家
2011.05.13 16:00
2009年に刊行された著書『偽善エネルギー』(幻冬舎新書)の中で日本の原発は地震対策をしっかり行うべきだと警告し続けてきた中部大学教授・武田邦彦氏は、自身が委員を務めた原子力安全委員会でのやりとりについて、苦い顔で振り返った。
2006年9月、原子力安全委員会では耐震設計の審査基準を改定することになった。武田教授はこの基準を見て心底驚いたという。
「それまでは安全な原子力を造ろうという方針だったはずですが、このときの指針では、電力会社が地震や津波を想定し、それより大きな地震があったら『想定外』とみなす、つまり仕方がないという内容だったのです」(武田教授)
さらに指針には、「原発に『想定外』のことが起こった場合、【1】施設が壊れて【2】大量の放射性物質が漏れて【3】著しくみんなが被曝する」とはっきり書かれていたという。
「それは、電力会社が想定しない範囲であれば、原発が壊れて国民が被曝してもいいという意味です。この指針は、電力会社と保安院が結託して『想定外』には責任を取らないようにしたものなのです」(武田教授)
委員だった武田教授は、これでは責任逃れではないか、と委員会で食い下がったが、指針は通ってしまった。
「ぼくはそれまでは原子力推進派でした。でもこんなことを許すわけにはいかず、それ以後、原子力批判派に変わりました」(武田教授)
東京電力の清水社長が「津波は想定外」と繰り返したのも、この指針に沿った責任逃れだと武田教授はいう。
※女性セブン2011年5月26日号

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4.原子力災害・賠償
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◆大前研一氏「原子力災害を国が補償するのは当然」は暴言と指摘
2011.05.11 07:00
http://www.news-postseven.com/archives/20110511_19965.html
原発賠償に税金投入を安易に決める議論が、いつのまにか進んでいる。そうした議論の中から抜け落ちている問題点について、大前研一氏が指摘する。
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時を追って東日本大震災の被災者の経済的困窮が顕著になる中で「原発賠償」を巡る議論が紛糾している。今回は、この問題を解決する上での大前提について考えてみたい。
福島第一原子力発電所事故の一次責任が東京電力にあることは論を俟たない。ところが先月、日本経済団体連合会の米倉弘昌会長の口から“暴言”に等しい言葉が飛び出した。
「原子力損害賠償法には大規模な天災や内乱による事故は国が補償するとある。国が全面的に支援しなくてはいけないのは当然だ」「原発は国によって安全基準が定められ、設計・建設されている」と記者会見で述べ、国の責任を強くアピールしたのである。
この発言は、経団連会長ともあろう人物が、その仲間意識(東電の清水正孝社長は経団連副会長)から財界の都合を主張した“不見識”といわざるを得ない。
たしかに原賠法は「原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない」(第三条)と、この第三条並びに第十六条で政府による「援助」を定めている。
つまり財界の“言い分”は、原子力は国の方針に従って推進してきた、原発は国の安全基準に準拠して原子力安全委員会の審査で認められたものを造り、原子力安全・保安院の指導のもとに運転してきた、国の言う通りにやってきたにもかかわらず、想定外の津波でこんなことになったのだから国が責任を負うのが当然だ――というものである。
だが、もしこの理屈で企業が責任を負わないとなれば、製薬会社や航空会社、鉄道会社などが事故を起こしても、安全基準を定める国の責任ばかりが問われることになる。経団連はCSR(Corporate Social Responsibility/企業の社会的責任)を声高に叫んでいるが、それが虚構にすぎないことが図らずも露呈した。
一方の政府は、東電の支払い能力を超えた部分について支援する意向を早くから打ち出している。聞こえはいいが、そのツケを納税者である国民に回すことへの熟慮や躊躇が政府からは微塵も感じられない。
※週刊ポスト2011年5月20日号

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5.電力会社社内事情
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電力供給アップに向け中部電力・北海道電力・タイ政府が支援

◆東電内に“関電から電力の施し受けたくない”という考えあり
2011.04.13 07:00
http://www.news-postseven.com/archives/20110413_17324.html
3月に実施された計画停電は大混乱を招き、東京電力の存在意義である「安定供給」は、完全に崩壊したが、同時に東電の電力危機は別の問題も白日の下に晒した。

西日本各社の11年度「供給予備力(余剰電力)」の合計は1348万kw(送電線が繋がっていない沖縄電力は含まない)。夏期に予想される東電管内の不足分にほぼ相当する。ならば、関電や中電から余剰電力を分けてもらえばいいじゃないか―そう思った人は多いのではないか。関電はこう説明する。
「東電への融通は最大限行なっている状況です。弊社を含めた西日本の電力会社全体で最大100万kwを供給しています」(地域共生・広報室 報道グループ)
だが、東電管内の今夏の電力不足は1000万kw超と見込まれているから、100万kwでは焼け石に水だ。しかし、関電にはもっと余力があるはずだ。「あるのに渡せない」ことには、以下のような理由がある。
東日本(東電、東北電力、北海道電力)の電気は周波数が50ヘルツ、西日本(関電、中電など)は60ヘルツのため、変換をしなければ西日本で使用する電気を東日本に供給できない。変換装置を備える変電所は東電、中電などが保有する3か所(東清水変電所、佐久間周波数変換所、新信濃変電所)のみ。その変換能力の合計が最大100万kwというわけだ。
ならば、変電所を増設することはできないのか。東電の藤本孝・副社長は記者会見でこう説明した。
「10年程度の時間と1000億円単位の費用がかかる。東電の管内で発電所を増やした方が早い」
だが、現に稼働中の装置はあるのだから、一から開発に取りかかるわけではない。専門家からは「増設ならば時間はかからないはず」との指摘もある。大山力・横浜国立大学教授(電力システム工学)は重要な指摘をする。
「装置は量産できませんが、製造に10年もの時間を要するわけではありません。ネックとなっているのは用地問題でしょう」
変換施設自体に要する用地は約3000平方メートルとされる。一般的なサッカーコートの半分以下だ。しかも市街地に設置する必要はないので、用地の確保も、それほど難しいとは思えない。では、東電が建設をためらう本当の理由は何か。
「変換施設から引く高圧送電線の鉄塔や、電圧を下げる変電所などの用地を収用するのに時間を要し、地域住民との折衝にカネがかかる」(東電関係者)
要するに“地上げ資金”の問題なのだ。これまでのやり方が、今になって危機対応の足かせになっている。そして最大の問題は、東電と関電の複雑な関係にある。東電の元幹部が語る。
「東電内には“関電から電力の施しを受けたくない”という考えがある。それは関電も同じ。周波数の違いは、電力会社がそれぞれの地域で独占的に営業することを正当化する絶好の口実なのだから……」
※週刊ポスト2011年4月22日号

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6.電力情報のレトリック・国民を騙すテク
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◆東電・エネ庁の電力供給量過少申告は「原発利権」温存のため
2011.04.25 16:00
http://www.news-postseven.com/archives/20110425_18490.html
「真夏の大停電」が起きると大騒ぎされたが、実は、当初の電力供給見通しでは、夜間の余剰電力を活用して水を汲み上げ、ピーク時に発電する揚力発電400万kW分が含まれておらず、大停電は回避できると週刊ポスト4月29日号で報じた。なぜこんなことが起きたのか。
まずは大山力・横浜国立大学大学院教授(電力システム工学)の説明を聞こう。
「揚水発電は夜間の余剰電力を使って水を汲み上げる仕組みですから、夜間にどれだけ安定的に余剰電力を揚水に供給できるかがポイントです。400万kWの根拠になる夏の夜間電力の見通しを精査すればさらに供給力が増える可能性がある」
環境エネルギー政策研究所の松原弘直・主席研究員はこういう。
「電力会社は通常、電力需要が下がる夜間は火力発電の出力を下げて運転する。コストがかかる方法ではあるが、夜間も火力発電の出力を下げずに揚水発電用の水をポンプアップすれば、揚水発電の供給力を増やすことができるはずです」
さらに東京電力幹部自らが、「揚水発電力の過少申告」を認める発言をしていたことも突き止めた。
本誌発売日の4月18日に、民主党は「電力需給問題対策プロジェクトチーム」を設置し、翌19日の初会合には細野哲弘・エネ庁長官や東電役員らが出席して需給計画を説明した。
この会合に参加したある議員が本誌報道を前提に、「実際に揚水発電で見込める供給力の上限はどの程度か」と質したところ、東電役員は、
「850万kWまでは可能です」
と明言したというのだ(役員の発言について東電は「確認できない」と回答)。
前出の経産省幹部が語る。
「エネ庁から揚水を供給力に含めるよう指示された東電は、昨年の夏期の夜間余剰電力などをもとに850万kWという数字を報告した。すると今度は“それでは多すぎる”と修正を求められたようだ。東電役員は、その隠すはずの試算だった850万kWという具体的な数字を思わず口にしてしまったのだろう」
枝野長官も含め、嘘がバレても「次の嘘」で塗り固めようとする政府の品性の卑しさには反吐が出る。しかも、「850万」が昨年実績の数字ならば、やはり専門家の指摘通り、火力のフル稼働などで揚水の最大出力「1050万」も実現できる可能性が高まった。
第一生命経済研究所は、電力不足による経済活動の低下で今年の実質国内総生産が3.9兆円ダウンすると試算している。それが政官と東電の原発利権のためだとすれば、国民や企業は彼らに「損害補償」を求めるべきではないか。
※週刊ポスト2011年5月6日・13日号

◆「揚水発電」をカウントすれば原発なしでも夏の電力間に合う
2011.04.18 07:0
http://www.news-postseven.com/archives/20110418_17850.html
菅直人・首相は震災発生から1か月と1日後の記者会見(4月12日)で、こう力を込めた。
「原子力事故が起きて以来、政府の責任者である私が知ったことで、都合が悪いから隠すようにといったことは一切ありません」――震災以降、批判を恐れて滅多に会見しようとしなかった「国を操る人」の言葉は、真っ赤な嘘だった。
本誌『週刊ポスト』はそのことを示す1枚の極秘資料を入手した。しかし、それが示す事実は国民には公開されていない。
資料には、『東京電力の設備出力及び地震による復旧・定期検査等からの立ち上がりの動向』と表題が記されている。東京電力のすべての原子力、火力発電所や水力発電の出力、被災状況、7月末までにどの発電所の何号機が復旧するかの見通しが一覧表にまとめられたものだ。資源エネルギー庁が官邸や政務三役、与党幹部などへの電力制限の説明資料として作成したもので、右肩に「厳秘」と入っている。
資料からは、大地震前後の東電の発電能力の変化が一目でわかる。震災前には5200万kWの供給力があったが、地震と津波で原発3か所をはじめ、7か所の火力発電所が全基停止し、3月14日時点では供給力は3100万kWに下がった。首都圏で計画停電が実施され、電車の大幅減便で通勤難民があふれたあの時である。
電力需要がピークを迎える7月末に向けて、定期点検のために休止していた東扇島や姉崎などの火力発電所はすでに運転を再開し、震災の被害により停止していた鹿島や常陸那珂の火力発電所も復旧して立ち上がる見通しだが、それでも供給力は4650万kWにとどまると記されている。
記録的猛暑だった昨年の電力消費量のピークは7月23日の5999万kW。東電の需給見通しによると、今年のピーク時電力はそれより低い「5500万kW程度」と予測されるものの、供給力が850万kWも不足する計算になる。政府や東電が「このままでは真夏の大停電が起こる」と喧伝するのは、この数字を根拠にしている。
ところが、資料を詳細に分析すると、7月の供給力には盛り込まれていない“隠された電力”がある。「揚水発電」の出力が計算されていないのだ。
「揚水発電」は、夜間の余剰電力を利用して下貯水池から上貯水池にポンプで水を汲み上げ、日中の電力消費の多い時間帯に水力発電をする仕組み。発電時間は上貯水池の水が空になるまでの数時間だが、首都圏の夏の最大電力は午後2時を中心とした5~6時間である。揚水発電の役割は、まさにピーク時の電力を補うための非常用電源といえる。今のような停電危機にこそ有効に活用すべき設備なのである。
東電は日航機墜落事故現場で知られる御巣鷹山の地下500mをくり抜いた世界最大の揚水発電「神流川発電所」(現在は1号機47万kWが完成)をはじめ、多くの大型揚水発電所を持ち、資料によると出力は全部で1050万kWに上る。東電は「揚水発電を発電量に織り込めるかどうかは精査中です」(広報部)というが、エネ庁がこの揚水発電を使わないことにしているのは不可解すぎる。
ちなみに、通常、揚水発電は原発の夜間電力を使って水を汲み上げていると説明されているため、原発の多くが停止してしまえば使えないと誤解されている面があるが、それは違う。電気事業連合会も「原発でなくても、夜間の余剰電力があれば揚水は稼働できます」(広報部)と認めている。
そこで、東電の7月末の4650万kWに加え、揚水発電の1050万kWをフル稼働させると計算すると、7月末に使える東電の供給力は5700万kWになる。これならばピーク需要を賄うことが可能なのだ。
他にも、7月末までの稼働予定に入っていない鹿島共同火力発電所1号機(17.5万kW)、常磐共同火力発電所9号機(30万kW)などの復旧が進んでおり、供給力がもっと増える可能性も出てきている。
また、長期停止中の横須賀火力発電所も、8基中4基は稼働させる予定だが、残りの4基も早期に再開できるという指摘がある。
5500万kWというピーク時電力も毎日続くわけではない。1年のうち数日であり、東電の夏場の平日の平均最大電力は4800万kW(需給見通し)とされている。揚水発電を合わせた供給力なら900万kWも余裕がある。
資源エネルギー庁電気・ガス事業部の電力基盤整備課の担当者は、資料の存在を認めたうえで、「このデータは開示しているものではない。どこで入手したのか」と逆質問してきた。
――揚水発電を供給すれば、ピーク時の需要もまかなえるのではないか。
「使用を考えていないわけではない。が、揚水の出力1050万kWというのは最大値で、貯水池の水量の変化などによって、ピーク時に最大出力が使えるかは状況によって変わる。電力が足りない日が1日もあってはいけないと対応しているので、確実な電力だけしか供給力に計算していない」
官僚答弁の典型だ。だが、資料にはさらに目を疑う数字もある。東電の総供給能力は7800万kW。そのうち原子力は1820万kWだ。つまり、原発をすべて停止しても最大5980万kWの供給力があることになる。
現在、東電の原発は柏崎刈羽の1号機と5~7号機が稼働(出力は4基で491.2万kW)しているが、停止中の火力が復旧すれば、柏崎刈羽の全炉を停止しても、「停電」はしないですむことを示すデータだ。
※週刊ポスト2011年4月29日号

◆http://www.news-postseven.com/archives/20110412_17259.html
発電所保有企業幹部「電力会社から電気買うのはバカらしい」
2011.04.12 16:00
夏場の計画停電が懸念される昨今だが、JR東日本やNTT東日本、鉄鋼各社など、自社工場や設備で大量の電力を消費する企業は、自前の発電所を設置している。たとえば、JFEスチールは震災発生直後から千葉市にある製鉄所内の火力発電所を稼働させた。通常は平日の日中のみの稼働だが、現在は休日も24時間稼働となり、余剰電力を東電に供給。新日鉄も千葉・君津市にある製鉄所の火力発電所をフル稼働させ、発電量の約半分(50万kw)を東電に卸している。

「企業内発電所」が作られる理由は、表向きは「工場のラインを常に稼働させる」(新日鉄広報センター)、「首都圏の路線や信号などが停止しないようにする」(JR東日本広報室)というが、本音は別にある。発電所を保有する企業の経営幹部が明かす。
「正確な数字は控えさせていただくが、電力会社から買うより自社で発電するほうがはるかに安上がりです。建設コストを勘案しても、長期的には十分にお釣りがくる。電力会社から電気を買うのはバカバカしい話です」
大企業はもともと一般家庭より電気料金がずっと安い。それでも「高すぎる」というのである。ならば我々もその安い電気を買いたいところだが、それはできない。
2000年の電気事業法改正により、電力9社以外の電気事業者(PPS)に電力小売りが認められるようになったが、その対象は「契約電力50kw(中小企業の工場に相当)以上の需要者」という規制があるため、一般家庭への小売りはできないのである。
※週刊ポスト2011年4月22日号

◆「原子力なくても火力と水力でまかなえる」と京大研究者提言
2011.04.19 07:00
http://www.news-postseven.com/archives/20110419_17779.html
いまや日本の全発電量の26%を占めるまでになった原子力発電だが、福島原発事故を機に、「原発はないほうがいいのでは」との声も上がる。だが、いまさら生活は変えられるのか?
「原子力がなくても、現在の火力と水力だけで充分にまかなえます」というのは、京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏だ。
「日本では、使われていない火力の発電所が相当数あるんです。そういった発電所を稼働させれば、原発を全部止めて、廃炉にしても問題ない」。東海地震の予想震源域にある浜岡原発をはじめ、即刻すべて止めるべきと、小出氏はいう。
世界にはすでに“脱原発”に踏み切った国が存在する。イタリアだ。1986年のチェルノブイリ原発事故を受け、イタリアは1987年に国民投票を実施。当時稼働していた4か所の原発を順次閉鎖することを決定した。現在も続いている解体作業は2019年までには終える予定だという。
しかし代償として、エネルギー需要の80%以上をフランスなどからの輸入に依存せざるをえない状態になっている。最近は安定しない電力供給に、再び原発を持とうという議論があがっている。
※女性セブン2011年4月28日号

◆雑誌の「夏の電力充分」報道で政府の電力供給見通し方向転換
2011.04.25 07:00
週刊ポスト前号(4月29日号)「『原発完全停止』でも『停電』なし」が、政府と東電を大慌てさせた。震災対応そっちのけの大騒ぎは呆れるしかないが、彼らにはそれほど「痛いところを突かれた報道」だったのだろう。
本誌がスクープしたのは資源エネルギー庁作成の「東京電力の設備出力の復旧動向一覧表」という極秘資料だ。これには7月末の東京電力の供給能力が「4650万kW」と記され、これが「真夏の大停電が起きる」という政府の“脅し”の根拠にされた。
ところが資料を子細に検証すると、ここには東電管内全体で1050万kWの発電力を持つ揚水発電(※1)が全く含まれず、停止中の火力発電所も加えられていなかった。これらを含めれば、企業や一般家庭に使用制限を設けずとも「真夏の大停電」は回避できる。それをしない背景には、与野党政治家の「原発利権死守」の思惑があった、というのが前号の概要である。
その締め切り日だった4月14日、揚水発電についてエネ庁を直撃すると、狼狽した様子で極秘資料の存在を認め、「確実に発電できるものしか供給力には含めない」(電力基盤整備課)と苦しい回答に終始した。
が、同庁は本誌取材の直後、舌の根も乾かぬうちに、「全く別の指示」を東電に出した。翌15日夕方、東電は「揚水発電の400万kW、震災で停止中の共同火力発電所(※2)の再稼働110万kWなどで550万kWの上乗せが可能になったため、7月末の供給力は5200万kWになった」と発表したのである。
経緯を知る経産省幹部が明かす。
「『ポスト』が取材をかけたあと、エネ庁から東電に揚水の一部を供給力に含めろと指示が下った。記事が指摘していた通り、これまでエネ庁は東電に“原発の必要性がわかる資料”を要求してきたから、彼らも突然の方向転換に面食らったようだ」
要は「電力隠し」を見抜かれたエネ庁と東電が、本誌スクープで国民裏切りの大嘘がバレるのを恐れ、発売前に大慌てで供給力の水増し調整を行なったというわけである。
それでも枝野幸男・官房長官は4月15日の会見で、「これで需給ギャップが埋められるものではない」と強調した。まだ“原発は必要”といううそにしがみつく醜いあがきだったが、弥縫策(びぼうさく)はまた綻ぶものだ。
(※1)揚水発電/水力発電所を挟んで上貯水池と下貯水池を作り、夜間などの余剰電力を利用してポンプで水を汲み上げ(この作業を「揚水」と呼ぶ)、昼間の電力使用ピークの時間帯に水を流下させて発電する仕組み。
(※2)共同火力発電所/東電が他社と共同で出資・運営し、電力供給を受ける火力発電所のこと。4月15日に発表された見通しでは、鹿島共同火力(出資は東電50%、住友金属工業50%)の1、3、4号機と、常磐共同火力(出資は東電49%、東北電力49%など)の8、9号機が今夏までに再稼働するとされた。
※週刊ポスト2011年5月6日・13日号

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原発メーカー
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◆http://www.news-postseven.com/archives/20110321_15550.html
格納容器製造会社 圧力容器と格納容器の構造を説明する
2011.03.21 07:00
福島原発の格納容器の安全性が連日ニュースで報じられているが、格納容器の堅牢性は並大抵ではない。福島第一原発の1号機から3号機までの圧力容器と、問題が起きた2号機の格納容器を製造したのは、IHI(旧・石川島播磨重工業)である。事故のさなかという難しいタイミングながら、本誌取材にこう説明した。
「圧力容器は鋼鉄の鍛造材で厚さは約16センチ。2号機の格納容器は3層構造で、一番内側に鍛造材で厚さ3センチの内壁があり、その外側の外壁が鉄筋コンクリート製で厚さ200センチあります。その外に遮蔽外壁があり、これも鉄筋コンクリート製で厚さ100センチです。どれくらいの熱や圧に耐えられるかは、申し訳ありませんが、弊社が答えられる範囲を超えます」
これだけの情報でも、2号機の危険度を判定する材料としては重要だ。原発技術者の中には、2号機で起きた圧力抑制室の損傷原因が、「炉心溶融による水蒸気爆発が原因ではないか」との見方もある。だとすれば、すでに2号機は「最後の砦」ともいえる格納容器のプールで反応が止まって最悪の事態(放射性物質の拡散)を避けられたことになり、格納容器の防御機能も証明されたといえる。
※週刊ポスト2011年4月1日号

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捜査当局
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◆検察による東電捜査 人災がからむ原発事故は“事件”と認識
2011.05.12 07:00
http://www.news-postseven.com/archives/20110512_20143.html

福島第一原発事故は、日本だけではなく世界に不安の影を投げかけている。東京電力への批判は多く、また、今後の賠償問題や経営問題など課題は山積しているが、その東電に捜査当局の手が伸びようとしているという。
検察が東京電力経営陣の責任追及に向けて資料収集を開始しているのだ。検察の動向に詳しいジャーナリストの伊藤博敏氏が報告する。
* * *
「原発事故を天災と人災に切り分け、そのうえで、東京電力の誰にどんな責任が生じるかを検証している」
検察関係者は、将来の事件化に備えて、検証作業を行なっていることを隠さない。天災だけなら事故、人災が絡めば事件となる。その可能性があって公的資金が投入され、告訴告発も相次ぐだろうから、検察が、今後、「事件対応」するのは当然だ。では、天災と人災の線引きはどこか。
簡単に言えば、津波までが天災、津波後が人災となる。
現行の原子力規制は、首相が任命する原子力安全委員会が原発の安全審査や政府への助言を行ない、経済産業省の外局である原子力安全・保安院が、原子力施設に検査官を配置、原発を監視することになっている。
従って、東電がマグニチュード9で津波の高さが15mという天災を予測して設計、運用していたわけではなく、チェック機関もそこまでの想定を求めなかったのだから、「天災だった」という言い訳は成り立つ。
しかし、津波後はどうだろうか。
震災が発生した3月11日、東電の勝俣恒久会長は北京にいて、清水正孝社長は関西にいた。トップ2人が不在の中、危機は次々に訪れ、原子炉内の気圧が急上昇、格納容器破損の恐れが出てきたため、同日午後11時過ぎには菅直人首相や海江田万里経産相、斑目春樹原子力安全委員長らの間で、弁を操作して高温の水蒸気を外部に逃がす「ベント」と呼ばれる作業が必要になったという合意がなされ、何度も指示が出されたものの、東電は動かなかった。
結局、ベントの開始は翌日の午前10時過ぎで、その5時間後には爆発が起きたことを思えば、初動の遅れが致命的だった。
東電関係者が率直に言う。
「弁を開けると大量に放射性物質が拡散する。そのことへの恐れがあった」
また、廃炉になるのをためらって、海水の注入が遅れ、それが炉心溶融につながった、とされる点も同じである。そうした経営陣の保身が、大惨事につながったことが実証されれば、業務上過失致死傷罪などが成立する。
主任検事が証拠品を改竄するなどした大阪地検事件をきっかけに、再生が求められている検察は、自らの存亡をかけて天災と人災の狭間を縫う捜査を行なうことになる。
※SAPIO2011年5月25日号

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