ホーム > ◇京大原子核・吉井英勝議員 > H15.05.20 吉井議員(共産) 東電データ改ざん不正事件にみる検査精度の諸問題

H15.05.20 吉井議員(共産) 東電データ改ざん不正事件にみる検査精度の諸問題

国会議事録3.11以前の国家原子力政策
156-衆-決算行政監視委員会第三…-2号 平成15年05月20日
質問者: 日本共産党・吉井英勝議員

≪論点≫
(1)東電データ改ざん不正事件にみる検査精度の諸問題
・試験データの捏造、試験の手抜き
・未完成な検査技術
・測定精度等検査技術の信頼性の向上の取り組み(=そのために必要な検査機器・検査技術・検査手法などの開発、原子炉構造上の検討)
・難しい検査部位や高い放射線量という環境下での自動測定技術等の確立の必要性
(2)電力不足は全国的な電力の系統の投入等によって理論的には可能な数値(=日本中の原発を止めても電力を十分まかなえるの意味)

– – – – ここから  – – – –

〇吉井分科員 日本共産党の吉井英勝でございます。
ちょうどこの決算の対象時期に、東京電力のいわゆる不正事件、内部告発があり、この内部告発が経産省の方から東電に通報されたり、データの改ざん問題などがありました。ですから、きょうは、その前後する問題について質問をしたいというふうに思います。
まず、政府参考人の方に伺いますが、あの発覚以降、何度も検査が行われ、記者会見等で公表がされてきました。検査のたびに、傷の発見した数や、それから、測定すれば傷の深さがだんだん変わっていく。これは、炉心シュラウド(◆注:シュラウド)についてもそうですし、それから再循環系配管についてもそうですし、また制御棒駆動水圧系配管(◆参考資料:「H14.10.11 福島第一原発4号機制御棒駆動水圧系配管」JNES報道資料) についてもそうだったと思うんです。検査を丁寧にする、あるいは検査機器や検査手法を改善すると、検査によって見つかってくる傷の数も傷の測定深さも変わってきている、これが実情ではないかと思いますが、最初に参考人に伺います。

〇佐々木政府参考人 シュラウドあるいは再循環系の配管に対します検査方法につきましては、超音波探傷方法で実施いたしておるわけでございます。今先生御指摘の検査の測定精度の問題については、確かに、今回、SUSの316L材のステンレス鋼の応力腐食割れにつきまして、現実にいろいろ測定精度の問題が出てきたことは事実でございます。
私ども保安院といたしまして、検査の実効性の向上の観点から、検査技術の実用性や信頼性向上に取り組んでいくことが必要であると考えておりますが、本年度におきましても、微細な応力腐食割れを検出して寸法を測定することができるような高度な非破壊検査手法の実証試験なども行うことにいたしております。
こうした検査技術に関する各種の課題につきまして検討を行うため、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会に設置をいたしましたワーキンググループにおいても検討を行うことといたしております。
以上でございます。

〇吉井分科員 私、まず最初に、簡単なことを聞いているんですよ。要するに、測定するたびに傷の数がふえてくる、測定値がだんだん深くなってくる。それは、今おっしゃった精度の問題もあるんですが、まず、そういうふうに検査を丁寧にすれば、原発で見つかってくる傷の状況は変わってきているというのが現段階での実情ではないか。まずその点、簡潔なお話を。

〇佐々木政府参考人 検査には、測定の方法の問題、機器の精度の問題、それからもう一つは、検査員の技能、レベルの問題があるかと思います。
そういう意味で、これまでの新しい知見で、先生今御指摘のように、傷の判定について、そうした兆候を丁寧に見てみる、そうした中で、超音波探傷で傷が発見された、こういう事例がたくさん出てきておることは事実でございまして、今回の東電の問題を契機にいたしまして、いろいろ、各種機器、部材によって異なりますけれども、今先生がおっしゃったようなことが事実として出てきておること、それからまた、これが新しい知見であることも事実であると考えております。

〇吉井分科員 そこで、東電不正事件の発覚を受けまして、調査が行われました。
今まで東電が出したり保安院が出した資料、積み上げたら大体一メーターぐらいになるか、超えるかなと思うぐらいあります。私も丁寧に読ませていただきました。保安院は、そういう調査を行って、結局、今のお話を聞いていてもわかるように、もう傷は残っていないとは言い切れないというのが現実の姿といいますか、実態だと思うんです。
そこで、三月に「東電の再発防止対策の実施状況について」を発表され、読んでおりますと、東電の報告概要にある品質保証システム、企業倫理遵守、安全文化醸成などを挙げて、結局、東電の今の意向を追認するといいますか、そういう意向を示しておられるわけですね
試験データの捏造や定期点検の手抜きなどはもちろん論外なんですが、原子炉の安全性の確認の最も基礎をなすのは、やはり正確に測定してデータを出せるかどうかというところが一つのポイントだと思うんです。そこで、私は、検査機器の開発、検査手法の開発、それから検査を考えた原子炉機器の構造上の検討ですね、配管をどう組み立てていくかとか、それを指摘しました。
これに対して、松浦原子力安全委員長からは、昨年十一月六日に内閣委員会で、十一月二十七日の経済産業委員会でも、松浦さんの方から、検査機器、検査技術の開発が必要な段階だ、シュラウドの応力腐食割れに関する検査技術の開発などについて、今後相当に力を入れていくべきだという答弁がありました。佐々木保安院長からも、この十一月二十七日とことし二月二十七日の予算委員会の分科会でも、あなたの方も、この松浦さんの見解については、私も同じ認識を持っております、こういう御答弁でした。
ですから、今日の段階でも、検査機器とそれから検査技術、検査手法の開発、それが非常に重要な段階だ。原子力問題を考えたときに、今の検査という問題での水準はそういう段階にあるというふうに考えなきゃいけないと思うんですが、この点について伺っておきます。

〇佐々木政府参考人 確かに、今までの知見で予測ができなかった面が検査の問題では生じていることは事実でございまして、このために、検査の方法や、検査員によって検査の信頼度がどこまできちんと出せるかということを、現状では特に再循環系の配管の切り出し部におきまして、今いろいろな確証、実証をいたしましてデータの集積をしているところでございます。
私自身も、今先生の御指摘のとおり、新たに原子力安全保安部会に設けましたワーキンググループでも、今後の検査技術の開発、向上、それから検査員の資質向上の対策を具体的に検討し、これを実行していくことが極めて大事だと思っておりまして、また、今年度からも、そのための検査の機器の開発も含めた技術の向上のための予算も相当計上して、スタートもさせているところでございます。

〇吉井分科員 それで、三月十日に出された原子力発電設備の健全性評価についての中間取りまとめの中でも、非破壊検査技術の改良、開発が炉心シュラウドや再循環系配管の検査に当たって重要だ、現場のニーズに即した装置の開発や改良とともに、十分な技術の確証が必要であるとしていて、今おっしゃったように、今、技術の確証に取り組んでいるわけですね。
ですから、検査技術というのは、今日の段階では、まだ完成したもの、それは一〇〇%を完成と見るか、八〇%程度のところでとりあえずの完成と見るかというのはあるにしても、まだ完成されたものというふうには見ることができない、そういう段階ではないかと思うんですが、この点についての考えは、政府参考人、どうですか。

〇佐々木政府参考人 超音波探傷技術というものは、一般の産業界、原子力も含めて、かなりの程度で、技術としては完成の域に近いと思いますけれども、問題は、原子力発電所のいろいろな部位の検査においては、いろいろ曲がっているところもございますし、被曝量の大変多いところで、時間をかけてゆっくり丁寧に見れないといったような問題がある箇所もございます。
したがって、技術についてはかなり、今の超音波探傷技術も、フェーズドアレーといったような新しい手法も、今いろいろ実証、確証をされている段階まで来ております。決して私は、技術が一〇〇%ということは申し上げません。常に、こうした技術の一層の向上が必要であるというふうに考えておりますけれども、今の技術で、安全という観点からいえば、かなりな程度、精度で一応傷は発見はされるというふうに認識をいたしております

〇吉井分科員 ある程度の傷の発見までは来たというところなんですが、これは三月十四日の保安院の「検討課題について」の中でも、欠陥寸法測定、いわゆるサイジング、その測定精度等検査技術の信頼性の向上というところを非常に重視しておられて、さらに、装置が単純だったら簡単なんですよ、はっきり言って。あるいは、原子炉を使用中じゃなくて、冷却水も全部抜いてしまって測定というのは簡単な場合があっても、現実には、冷却水も入っているようなものの中で測定する、これは極めて難しい。同時に、これは以前も取り上げたことがありますが、構造上の問題がありますね。例えば、制御棒駆動水圧系配管のように、約七十本ぐらいの配管が格子状に並んでいるところは、これはフレキシビリティーに富んだファイバースコープみたいなものを考えるにしても、なかなか難しい。
つまり、難しい検査部位や高い放射線量という環境下での自動測定技術等の確立が現段階では必要だ。逆に言えば、それなしには、なかなか、傷は見つかるんだけれども、精度高く傷の深さを測定するとかは難しいということで今保安院でも取り組んでおられるという状況だと思うんですが、これはこういうことでいいんですね

〇佐々木政府参考人 今先生御指摘のとおりのそうした基本的な物の考え方に立って、被曝量の高いところ、あるいは偏曲部位等の特殊な部位等について、これを極力、自動化の方向で精度を上げていけないだろうか、こうした問題意識の中で、どういう技術開発をこれから本格的に進めるべきかについても、我々、これから議論をしていく考えでございます。

〇吉井分科員 それで、昨年、東電で見つかってから、各電力会社で次々に調査に入ったわけですが、例えばシュラウドの問題については、浜岡原発四号機、一年前にはシュラウドの傷はゼロだった、一年後調べてみたら、一遍に六十七カ所に急に傷が広がった。これはどう考えても普通じゃ考えられない話なんですね。学者、専門家の見解なり、あるいは皆さんの方で安全委員会なりを含めて検討されて、今どのような説明を行っているんですか。

〇佐々木政府参考人 浜岡四号機のシュラウドのひび割れ(◆注:JNES報道用資料参照)につきまして、中部電力から聴取した際には、検査員は、平成十三年の定期検査時に実施された同機のシュラウドの点検においては筋状の模様があることは認識しておりました。また、ひび割れの位置は、翌年の平成十四年九月からの定期検査時に実施された点検において確認された一部のひび割れの位置と一致しておりました。平成十三年の点検においては、微細な模様であって鮮明な開口部には見えなかったことから、ひび割れでないと判断したものだと聞いております。
私ども、原子力安全・保安院といたしましては、平成十四年九月からの定期検査時に実施された点検の際に確認されたひび割れの少なくとも一部については、平成十三年のシュラウドの点検を行った時点で既に存在していたものと判断をいたしているところでございます。

〇吉井分科員 ですから、後から、多分傷があったものだろう、こういう話になってくるわけですね。それも、大体、浜岡原発の方の伝聞のお話が大分今あるんですが。確かに検査員の技術の向上によって変わってもくる。その技術の向上で傷が一遍にふえてみたり、見つかった数の方でいえばそういうことになるかもしれませんが、これではなかなか……。
では、今ある傷がどれだけの深さと測定し、それがどれだけ進展していくか。それがいわゆる維持基準なるものにおさまるのか、あるいは技術基準を割り込むぐらいに発展してしまうのかとか、実は、昨年来取り上げてきましたが、技術基準とした肉厚さえ割り込むぐらいに傷が発展したものもあれば、貫通してしまったものもあったんですね。ですからそれが、これはシュラウドだけに限らずに、再循環系であれ制御棒駆動水圧系であれ、配管でそういう問題が現に起こっているわけですから、技術基準と維持基準、傷の進展予測と実績値について考えていくときに、これまで使われているような火力発電用の機械学会のデータ等の利用、これも一定の意味はあると私も思っているんですが、ただそれだけじゃなくて、非常に厳しい中性子照射を受けるわけですから、放射線損傷による格子欠陥の問題とか、そういう放射線損傷の生じる環境下、そして機械的あるいは熱的振動の繰り返し、そこへさらに、浜岡なんかですと、東海地震を考えた場合の傷がある中での地震発生などの条件を加えて、それで傷の進展予測がどうなるかということについては、これは本格的にはまだ行われていなくてこれからの課題というのが、率直なところ、現段階の問題じゃないかと思うんですが、この点についても伺っておきたいと思うんです。

〇佐々木政府参考人 いわゆる維持規格につきましては、アメリカのASMEの規格を参考にもいたしまして、日本機械学会が策定いたしました二〇〇〇年版及びその改訂版の二〇〇二年版がございます。
私ども、現在、この維持規格につきまして、技術的な妥当性の評価を行った上で活用することとしたいと考えておりますが、現在、この規格で扱っております対象の範囲でございますけれども、原子炉の圧力バウンダリーを構成するいわゆる一種機器のうち、炭素鋼製の容器並びにオーステナイト系のステンレス鋼製及び炭素鋼製の配管それから炉心シュラウド、これはオーステナイト系のステンレス鋼でございますが、これのそれぞれにおけるひび割れの進展予測図が示されております。
これらの進展予測図は、米国の機械学会規格の作成の際のデータ、あるいは内外の研究機関の研究者による検討成果を基礎として作成されているものでございまして、研究論文やあるいは技術的なデータより技術根拠が明らかであると考えているところでございます。
今先生の御指摘の、まだまだこれからではないかという部分につきましては、これはデータの蓄積を待って、さらにどういう進展予測の評価をするかといったことも重要でございます。特に、316L材の応力腐食割れの原因によりますところのひびの進展等については、今もデータを集積いたしておりますけれども、おっしゃるとおり、現実にデータがあって、そこが十分評価可能な部分とまだ不十分な部分はございます。維持規格として採用していくものについては、こうしたデータの蓄積が十分にあって、そしてそれを保守的に一応議論ができるというところを採用していこうというふうに考えております。

〇吉井分科員 ですから、一般の人からすると、原発というのは何か非常に進んだ技術水準にあるように思うんですが、実のところ、今おっしゃったASMEのデータを使っての計算なんというのは、我々も三十年余り前の学生の時代からやっている話で、そのデータそのものは、新しいものが次々に加わってきたり新しい論文も入っているのはわかりますが、ただ、まさに、今本当に直面している課題については、本格的な実証や検討というのはこれからという段階というのが実情というふうに見なきゃいけないと思うんです。
昨年九月の東京電力の、当社の原発の点検・補修作業に係るGE社御指摘に関する調査報告書というのを改めて見たんですが、その二十二ページで、1F1、福島第一原発一号機のドライヤについて、「調査をもとに認定した事実」という中に「ドレンチャンネル部分のひび等は三か所あり、そのうちの一か所は溶接部分のみならず母材にまで達している、程度の重いものだった。さらにひびが進展すると、金属片が一部脱落するおそれもあった。」ですから、かなり深刻な状況が、このGE社から内部告発があったんだけども、無視してやっておった中にあったということがその後わかったわけです。
そこで、この傷の進展予測を考えると、この報告に言う「金属片が一部脱落」の場合、私がまず思い出すのは、一九八九年一月の福島第二原発三号機ですね。あそこで事故があって、再循環ポンプの事故ですが、その調査結果によると、原子炉内を循環する金属破片の大きさというのは非常に問題があったんですね。その当時の報告の結果からすると、今度は金属片の一部が脱落するおそれがあったということを指摘しているんですが、2F3事故の結果からすると、原子炉内を循環する金属破片の大きさは幾らまで許されるのか。つまり、今度の東電不正事件で問題になったようなものは、果たして実際に脱落しておったとき大丈夫だったのかどうかということが問われてくるわけですね。
2F3の結果を踏まえて、幾らまで許されるというふうにお考えですか。

〇佐々木政府参考人 いろいろなケースがあり得ると思います。今、先生の御質問に正確に、ここまでの大きさなら許容ができるというお答えをするのは非常に難しゅうございます。
ただ、福島第二・三号機の今お話がありました再循環系ポンプのトラブルのときに、いわゆるリングが飛びまして原子炉の中に入ったという事実がありまして、そのときに、金属片あるいは金属粉が、実際に、仮にそういう事態が起こった状態で炉が運転状態にあったときにどういう影響があるかという予測評価はいたしました。
そのときに、炉の中に実際に入っております金属片の粒径の分布、大きさの分布から最大値のものがどれくらいの強度で当たったときに燃料棒に影響があるかとかいろいろな予測を実は行いましたが、その福島第二・三号機のトラブルの例では、実際には金属片の大きさの最大値を、長さ四十二・四ミリ、幅九・四ミリ、厚さ二・〇ミリ、重量が一・六グラム程度と推定をいたしまして、その上で、原子炉内での衝突、かみ込み、閉塞、フレッティング、付着などさまざまな事象に対していろいろな運転モードを想定いたしまして、原子炉の安全性に与える影響がどの程度かということを検証はさせていただきました。結果は、原子炉の安全性に直接影響を及ぼす可能性は極めて小さいと、その当時、評価をさせていただきました。
私どもは、何らかのそうしたトラブルによりまして原子炉内で異物がとにかく存在するという事態は、運転の状態であれば、それを検知して炉を停止して、きちんとこれに対応するというのが原則であると思っておりまして、解析上この程度の大きさのものであればということを今申し上げるのは、非常にこれは技術的にも難しいと考えております。

〇吉井分科員 ですから、ちょっと大臣に長々と技術的な話を聞いていただきましたのは、要するに、昨年の調査によっても、金属片が脱落する可能性もあったということが報告書に指摘されているわけですね。大きさは、もちろん、現に脱落していないわけですからわかりません。しかし、福島のときには一・六グラム、それについてはまあ大丈夫だろうというのが、今の答弁のとおり、評価なんです。しかし、あのときはもっと大きなのは全部回収したんです。実は、見つからなかった部分で予測してみれば大体一・六グラムぐらいかなというところなんですよ。
ですから、てんびんばかりで、バランサーの方でどう振れるかなぐらいのところはまあ大丈夫だろう。しかし、原子炉の中でもっと大きな金属片が脱落したときには、問題が起こってからとめて調べますということじゃ済まないわけですね。そこに非常に深刻な問題が実はあったんだということを見ておかなきゃいけないと思うんです。
ですから、この基礎をなす検査機器、手法の開発の問題、検査可能な構造へどう原発の改造なりなんなりを考えていくかという課題がある問題。傷の進展予測も維持基準の議論も、結局現段階ではまだ正確にできるというところへは来ていない。そういう段階で、東京電力の不正事件でストップしている原発の安全性が確認できた、こういうことが言えるのかどうかですね。
実は、そのことはこれからの夏場の電力対策にもかかわってくるんですね。だから、無理に再開しないと大変だという大臣の思いはあるにしても、本当のところを言って、この安全性の確認については、やはりもっと徹底したことをやらなければいけないということを大臣としてもお考えになる必要があるんじゃないかと思うんですが、この点だけは大臣に伺っておきたいと思います。

〇平沼国務大臣 お答えさせていただきます。
現在停止中の東京電力の原子炉につきましては、原子力保安検査官が順次ひび割れの存在や大きさの確認を行ってきたところでございます。このうち、シュラウドにひび割れが発見された原子炉につきましては、健全性評価小委員会で議論をされまして、五年後の進展を予測した場合でも健全性が維持されるとの結論を得ているところでございます。また、再循環系配管につきましては、超音波探傷試験の精度の問題、これは今まで御指摘がありました、これがございまして、当面、取りかえ、補修工事を行う必要があると思っております。
また、格納容器漏えい率検査につきましては、福島第一・一号機において不正があったことから、東京電力の他のすべての原子炉についても、御承知のように、念のため、順次計画的に再検査を実施することを経済産業省から指示をいたしまして、これらの再検査の準備段階から、国の検査官が立入検査等によりまして漏えい率検査の実施状況を厳格に監視することにいたしております。
さらに、定期検査に関して申し上げさせていただきますと、結果の確認だけではなくて試験実施体制や手順についても確認するなど、通常よりも厳格な検査を行ってきているところでございます。
このような取り組みを通じまして、柏崎刈羽六号機については、既に安全な運転に支障がないことを確認し、地元の御理解を得て、先日再び起動をさせていただきました。今後とも、一つ一つの原子炉につきましては、国として責任を持って安全を確認していかなければならない、このように思っております。
また、既に法改正や規制実施体制の強化などが行われておりますけれども、その他、検査の実効性を向上するための対策などを通じて、このような問題の再発防止に全力を挙げていかなければならないと思っておりまして、吉井先生御指摘のそういった点も踏まえて、やはり安全というものを第一に一つ一つ丁寧に点検して、そして電力に支障がないように最大限の努力をしていかなければならぬ、このように思っております。

〇吉井分科員 実は、調べてみたら、予想外に配管の貫通していたものが見つかった、ゼロのはずが三個見つかった、しばらく調べてみたら六本見つかったとか、そういう状況なんです。しかも、傷の測定精度等も、まさにこれから検査機器の開発等が必要という段階ですから、幾ら電力不足、危機だ、夏場だということでもってしても、やはり安全対策をおろそかにして再開などというものはできる話じゃない、論外だということを申し上げまして、次に、電力不足の問題についても少し伺っておきたいんです。
資料もいただいて、見ますと、柏崎刈羽六号を含めて原発すべて停止だったらピーク時に対して不足をする電力五百八万キロワット六号機を使うと三百七十二万キロワットが不足しているということなんですが、全国各地の石油化学、鉄鋼コンビナートなど、既に設置されている自家発電設備の設備容量一千(1,000)キロワット以上のものが全国で約三千(3,000)万キロワットのうち七割を占めているんですね。その中には重厚長大型産業が終わって休眠中のものもあるわけですから、その設備容量が幾らなのかということを調べた上で対策ということも必要になってきますが、追加対策の四百三十九(439)万キロワットと東電が言っている中には自家発買い上げの四十五(45)万キロというのはもちろんあるわけですが、全国規模で融通し合うと、大体、東電並みの計算でいくと二百(200)万キロワットぐらいの可能性も出てくる。
それから、全国の九電力からの融通ということで考えていきますと、西日本からやってくるのが可能な五百五十八(558)万キロワットとか、北海道、東北から来る可能性のあるもの、これは送電容量の関係等もいろいろあるんですが、七百二十(720)万キロワットが最大可能というものなどを含めると、全国的規模で融通し合うと可能になるわけですね。
つまり、そういう対策をとることによって、原発を再開しないと危ない、不足だ不足だと言うんじゃなくて、原発は安全性の面で徹底的に取り組む。しかし、いわゆる不足しているものについては、それは、そういう休眠中の他の電力以外のもの、それから全国的な電力の系統の投入等によって理論的には可能な数値です。

〇山名主査 吉井君、時間ですので簡略に。

〇吉井分科員 終わります。
私も理論がすぐそのまま現実になると簡単に決めつけて言っているわけじゃありませんが、そこに目を向けた根本的な取り組み、それをやはり大臣として決断もし、指示もして取り組まれるということが今必要だと思うんですが、これは最後に大臣に伺っておきたいと思います。

〇平沼国務大臣 私どもは、夏場のピーク時が六千四百五十万キロワット、過去にこういう例がございます。そういう意味では、東京電力の十七基の原子炉の中で今十六基が停止をしている異常事態にあります。ですから、今吉井先生がおっしゃったあらゆる可能性を網羅しながら、何とか電力の断絶だけは防ごう、こういうことで努力しています。
他電力からの融通に関しましても、西の電力は確かに余力はございますけれども、六十ヘルツと五十ヘルツのそういう問題があって、これも限界がございます。
そういう中で、休眠中の火力発電所を立ち上げたり、あるいはそういう一部自家発電装置も活用して、今あらゆる可能性を網羅してやっておりまして、私どもとしては、原子力発電所の安全性というものはやはり一つ一つ丁寧に点検して、そして、原子力発電というのは安全性が第一でございますから、そういう一つの根本的な精神を持ってこれから頑張っていかなければならない、このように思っているところでございます。

〇吉井分科員 いずれにしても、今おっしゃったように、周波数変換の計画はありながらなかなか進んでいない話とかいろいろありますが、やはりそういう根本対策、それから再生可能エネルギーなどのこの際徹底した普及など、全面的な対策を含める中で解決を図るべきだ、このことを申し上げまして、時間になりましたので、質問を終わります。

広告
  1. まだコメントはありません。
  1. No trackbacks yet.

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。