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H23.04.20 吉井議員(共産) 最初の一撃で送電線鉄塔倒壊、その後非常用ディーゼルに津波が襲来した

3.11福島第一原発事故
国会議事録 177-衆-経済産業委員会-5号 平成23年04月20日
質問者:日本共産党・吉井英勝議員

<論点>
何故か政府は東電の言いなりのまま過酷事故を想定してこなかったのか

〇吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
私は、きょうは、最初に工程表にかかわって質問をしたいというふうに思います。
いただいた資料を見ておっても、一号機、二号機、三号機とも原子炉内の圧力、水位が上がらないわけですね。要するに、核燃料棒が半分近く露出した状態がずっと続いているわけですよ。このことは、格納容器に冷却水を入れても漏れているということをあらわすものでありますし、水素爆発対策で窒素ガスを封入したんだけれども圧力が上がらないのは、これは格納容器からも漏れが出ているということになると思うんですが、津波が圧力容器の中に及ぶわけはないので、それでつぶれるほどやわな装置だったら話にならないんですが、最初の地震の一撃でプラントのどこが傷んだのか、保安院長に伺いたいと思います。

〇寺坂政府参考人 お答え申し上げます。
最初の一撃に関しましては、まず送電線、鉄塔の倒壊ということがございます、それによりまして外部電源の喪失が生じたわけでございますけれども、その後、非常用ディーゼルが動きまして、そこで津波が襲来をしたということでございます。その時点で、最初の地震、それから津波の襲来、これによりましてどこがどのように傷んだのかということに関しましては、現時点でまだ確定がされておりません。さまざまな現場の事情等々があったわけでございます。
ですけれども、今委員御指摘のように、燃料棒につきまして、今把握しているデータを前提といたしますと、一定程度の燃料ペレットの溶融といった事態が生じているというふうに、一号機、二号機、三号機、それぞれそのように私どもはとらえておるところでございます。

〇吉井委員 せんだっての原子力安全委員会でも、炉心が溶けているという、この溶融のことは報告をしておられるんですが、そのプラントの状況がどうなっているかということをきちんとつかまないことには、そもそも工程表をつくるということがなかなか大変なことなんですよ
それで海江田大臣に伺っておきたいんですけれども、工程表でちゃんとやるというふうに会見でおっしゃったのを私は聞いていましたけれども、当分の間は高レベル汚染水は出し続けるということは判断していらっしゃるんですね

〇海江田国務大臣 出し続けるという意味がちょっと正確ではないと思いますが、これは、とりわけ今重点的に集中などに移すのは二号ということを決めておりますから、今二号にたまっております水はかなり高濃度だということでございますので、これを一日も早く集中などに移さなければいけない、こういうことでございます。

〇吉井委員 努力しているという方向はおっしゃったんだけれども、そもそもプラントのどこが壊れているかわからないわけですから、あちこちから破損が出てくるので、それは簡単にとまるということは言えない。だからこそ、私が前から言っておりますように、きちんとしたデータをまず出させるようにしなさいということを言っているわけです。
次に伺っておきますが、実は二〇〇六年十二月十三日に質問主意書を出しました。これは、原発停止後の崩壊熱を除去できなかったときには核燃料棒はバーンアウトするんじゃないかということを言ったんですが、そういう場合についてどういう評価をやっているんだといったら、経済産業省として評価していないということでした。
二〇〇五年十月三十一日には、今三号機で問題のプルサーマルの利用の場合、炉内の安全性及び過酷事故の放射能被害について質問しました。これに対して、東電第一・三号などの設置許可書があり、過酷事故については、「技術的見地からは起こるとは考えられない事故を想定し、周辺の公衆に著しい放射線災害を与えないことを確認している。」というのがこのときの答弁なんです。もちろん、総理大臣名の答弁書でありますけれども、答弁の作文をしたのは保安院なんですよ。
そこで伺っておきたいのは、周辺の公衆に著しい放射線災害を与えないことを確認した、どういうふうに確認したのかを伺います。

〇寺坂政府参考人 二〇〇五年の質問主意書に関しましての御質問でございます。
プルサーマル利用時の過酷事故時の放射能被害に関します評価について質問をいただきまして、設置許可時の安全審査におきましては、立地指針に基づきまして、技術的見地からは起こることが考えられない事故を想定して、その場合におきましても周辺の公衆に著しい放射線災害を与えないことを確認したところでございますけれども、今回の福島第一発電所の事故に関しましては、答弁書においてお答えいたしました内容と異なりまして、巨大な津波あるいは地震で長時間にわたり電源が失われ、ほかのプラントからの電力の融通もできなかったという状況のもとで原子炉の冷却が確保できない事態が生じたものと認識をしております。
この事故原因等に関しまして……(吉井委員「原因はいいです」と呼ぶ)はい。
そのような事態が生じた、確認した以上の事態が生じたというふうに認識をしてございます。

〇吉井委員 だから、「周辺の公衆に著しい放射線災害を与えないことを確認している。」と言ったんですよ。しかし、確認していなかったんですよ。ここは非常に大事なところだと思うんです
そこで、海江田大臣、政府はこれまで東京電力の言いなりになってしまって過酷事故を想定しない。それから、そのとき「公衆に著しい放射線災害を与えないことを確認している。」と言ったんだけれども、何の確認もしていなかったわけですよ。やはりこういうふうな、電力は大丈夫だといったら大丈夫だと思うような原発政策というのは改めるべきじゃないですか。これは一言伺っておきます。

〇海江田国務大臣 そうした質問主意書に対する答弁なども、いわゆる原発安全神話に基づいていたのではないだろうかと私は思います。現実にああいう事故が起きましたから、今、私の頭の中には、そうした安全神話は全くございません。

〇吉井委員 まず、そういう原発政策を改めなきゃならぬと思います。
次に、電源喪失についてです。
実は、福島第一原発一号機運転開始三十周年記念文集というのがあるんですが、そこで、一号機の建設に携わった、元副社長で所長も務められた豊田正敏さんが、この方は一九五六年からやっているんですけれども、安全性については、緊急停止措置、緊急炉心冷却装置ECCSなど、多重防護の徹底を期した、盲点は所内電源系だ、内部電源だ、その信頼性が意外に低く、系統構成の改善を図った、非常用電源のDGの信頼度が当初極めて低かった、このようにちゃんと指摘しておられて、東京電力でも一号機の早い段階から電源については喪失することのないようにしなければならないと考えていたと思うんです。
そこで保安院長に伺いますが、電源喪失により機器冷却系が働かなくなって炉心溶融に至ったわけですが、電源喪失は許されない、対策をとらせるという立場で東京電力に指示したのは何年からですか。

〇寺坂政府参考人 電源喪失を初めといたします外部電源の問題、あるいは所内電源の問題、これは非常用ディーゼルの問題でございますけれども、そういった事態が生じました場合に、いわゆるアクシデントマネジメント対策ということでどのような対応をしていくのかということの検討を、平成四年の安全委員会の指示以来、東京電力においても作業を行っております。
その結果におきましては、他のプラントからの電力の融通というような対応、それから、実際にそのアクシデントマネジメント対策が実行可能かどうか、そういうことについての訓練を行う等々の、いわゆるアクシデントマネジメント対策をまとめているところでございますけれども、今回はアクシデントマネジメント対策においては十分にその対応ができる状態にはならなかった、そのように考えてございます。

〇吉井委員 実は、一九九二年、先ほどもありましたように、原子力安全委員会がBWRにおけるアクシデントマネジメントについてという文書を出しております。その翌年になりますが、日本原子力学会誌で、軽水炉のシビアアクシデント研究の現状ということで、さまざまな検討をやっているんですね
その中には、一九九三年七月二十一日に、軽水炉のアクシデント研究の現状ということで出しておりますが、実は、一九八三年度より、炉心の損傷についての研究、検討、地震問題の想定、それから、BWRでも全交流電源が喪失するという問題、水素爆発の問題、圧力容器貫通部のリーク、つまり、圧力容器には制御棒とか計装装置の案内管がいっぱい走っているわけですが、そういうところが一番弱いと。それから、ベントの重要性ですね。水素ガスは、ジルコニウムとの化学反応やら水蒸気が放射線で分解されますから当然出るんですよ。そうすると、窒素ガスで置換することをやるか、フィルターを通してベントをしないと危ないんだということは、もうちゃんと研究しているわけですね。そういうことを既に一九九三年の原子力学会誌でも出されていたわけですが、なぜそういうことがきちんと生かされてこないのか。
私が先ほど紹介しましたように、私の質問主意書に対しては、要するに、そういうことは起こらない、まず評価の対象にならない、それから、「周辺の公衆に著しい放射線災害を与えないことを確認している。」と。もともと検討もしないで確認していると、これはだれが考えてみてもおかしいことだと思うんですよ。
原子力安全・保安院長、今までの原子力安全・保安院のあり方について根本的な反省が必要なんじゃないですか。

〇寺坂政府参考人 先ほど来申し上げておりますとおり、アクシデントマネジメント対策についての対応を行いましたけれども、その前提となっております内容を超えるような事態が生じたということでございます。そのような事態を前提とした対応がなされていなかったということにつきましては、私ども保安院としても、しっかり考えを改めていかなければならないものだと承知してございます。

〇吉井委員 最後に大臣に伺っておきます。
要するにアクシデントマネジメント対策というお話なんですが、実はシビアがつくんですよ。シビアアクシデントマネジメント対策というのが大事なんです。全電源喪失というのは許されないことなんです。これも早くに東電の副社長をやった豊田さんなども指摘し、草創期の技術屋さんはきちんと指摘して考えていたんですよ。
この五年間、私は、地震や津波で送電鉄塔の倒壊による電源喪失は言うとったんです。津波の押し波による機器冷却系の水没で破損することも、引き波のときには取水できなくなることなど、内部電源や取水の欠落で停止した原子炉の燃料棒の冷却はできなくなるという問題は、もう何度も、五年も六年も前から指摘して、炉心溶融について取り上げてきたんですが、東京電力とともに、原子力安全・保安院を所管する大臣としてなぜこういうことをきちんと検討してこなかったのか、このことについての大臣のお考えを伺っておきたいと思います

〇海江田国務大臣 なぜこれまで保安院を所轄します経産大臣が行ってこなかったのかということは、なかなか答えが難しかろうと思います。
ただ、先ほども一つお話をしましたけれども、私自身がそうでありましたけれども、安全だ、世界一安全だという安全神話を信じ込んでいたといいますか、これがあったことは確かだろうと思います。
今やそうした安全神話は、まさに全く失われたわけでありますから、この上はしっかりとした対策を講じなければいけないと思いまして、特に電源の問題は、私も今度の事故で対策の最前線におりましてつくづく実感いたしましたのは、電源だけは喪失してはいけないということでございますので、三月三十日の指示、それから四月の九日、十五日と、電源だけはとにかく二重、三重、四重、五重ということで、もちろん鉄塔が地震などで倒れてはいけないということも含めて、そういう措置はまず第一の措置として講じてございます。

〇吉井委員 時間が参りましたから終わりますけれども、安全神話というのは、電力も政府も膨大な広告費をかけて国民にずっと宣伝してきたわけですよ。副読本までつくって宣伝してきている。しかし、宣伝するだけじゃなくて、自分自身がその安全神話にマインドコントロールされてしまっていた、非常に深刻な問題だということを指摘して、質問を終わりたいと思います。

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