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H23.04.13 吉井議員(共産)、汚染水・海への放出=国内法及び国際条約に抵触

3.11福島第一原発事故
国会議事録 177-衆-内閣委員会-5号 平成23年04月13日
質問者日本共産党・吉井英勝議員

≪論点≫
・低レベル汚染水、海洋への放出は国内法および条約等に抵触の恐れ
・各種基礎的データの開示について
①汚染水の核種データ
②原発施設内・各所地震計の振動データ
③情報収集衛星画像など
・3/12、施設冷却のための消防車出動依頼要請時刻の確認

 〇吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
きょうは、せんだっての経産委員会で枝野長官にお聞きしたことに引き続いて、原子力災害の問題について伺いたいと思います。
最初に政府参考人の方に伺っておきますが、今回、東京電力は低レベル放射性の汚染水を大量に放出いたしました。この場合、すべての核種について、汚染水の核種は何なのか、それぞれの放射線量と半減期は幾らなのかということを明らかにすることが必要だと思うんです。
しかし、実際には、沃素131とセシウム134、セシウム137については公表されているんですが、ずっとこの間私も提出を求めておいたんですけれども、コバルト58、モリブデン99、テルル132、バリウム140とか、バリウム140を検出しますと、これは溶融した核燃料がどれぐらい出ているかということにかかわってくるわけですね。それから、ストロンチウム90とか、これらは溶融の可能性はどれぐらいのものであったかということがわかってくるわけなんですが、ランタン140も含めて、まず、すべての核種について全面的にきちんと明らかにするということが必要なんですが、保安院の方はこれらについて今発表しておられますか。

〇寺坂政府参考人 お答え申し上げます。
東京電力からの発表に関しましては、今現在は、委員御指摘のとおり、沃素131とセシウムの二つでございますけれども、その他の核種に関しましても、モニタリングの結果、その後の核種分析等を踏まえまして、分析、発表をされることになると考えてございます。
少し時間がかかる点は御理解願いたいと思います。

〇吉井委員 簡単に低レベルだからといって放出しているんですけれども、そもそも何が放出されているのか、さっぱり国民に公開されていない、東京電力の言いなり、私はこれはとんでもない話だと思うんです。
実は、一九九六年五月の国会でロンドン条約にかかわる法案を審議したときに、外務委員会と科学技術委員会の連合審査を行うことになりました。このときの五月十六日の科学技術委員会で、私は、スリーマイル島原発事故で、原発から放射能汚染水が河川に流され、それが海洋に汚染が広がったという問題を取り上げたんです。
改めて伺っておきますが、ロンドン条約の目的では、陸上発生の廃棄物の投棄による海洋汚染の防止を示し、附属書1の第四項により、放射性廃棄物の投棄禁止が定められていると思うんです。なお、この審査をする前には、一九九三年十一月二日に原子力委員会の方で、低レベル放射性廃棄物の処分の方針として、海洋投棄については選択肢としないとしていると思うんですが、これは原子力保安院長に確認しておきます。

〇寺坂政府参考人 御指摘のように、本件に関する条約といたしまして国連海洋法条約があるわけでございますけれども、いずれの国も、海洋汚染を防止する一般的義務を負っていると承知をしてございます
放射性物質による汚染についての明文の規定はございませんけれども、放射性物質による汚染も当然防止する必要があるわけでございまして、このような一般的な義務のもとに、いずれの国も、あらゆる発生源からの海洋汚染の防止、軽減、規制するために実行可能な最善の手段を用い、自国の能力に応じて、海洋汚染の発生源からの放出をできる限り最小とするための措置をとることとされているわけでございます。
今回の措置自体、国際法上の義務との関係で問題となるものではないというふうに認識はしておりますけれども、拡散低減のための措置と並びまして、近隣国に対する丁寧な説明、国際社会に対する情報提供を一層丁寧に進めてまいりたいと考えてございます。

〇吉井委員 二〇〇五年の国会でも、原子炉規制法の改正のときに、当時の松永保安院長は、九三年ロンドン条約改正により、海洋投棄禁止の対象を、高レベルの廃棄物から低レベルを含めた放射性物質も含めて禁止なんだと、このことをちゃんと政府として方針をとっているわけなんです。
それで、私は、九六年五月十六日の科学技術委員会で、日本の原発において万一事故があっても、放射性物質の外部への流出、海洋汚染にならない対策は必要だということを主張しました。これに対して当時の宮林科学技術庁原子力安全局長は、原子炉規制法に基づき、多重防護の思想で、最近聞きなれた言葉ですね、多重防護の思想で厳格な安全審査をやっております、原発からの冷却材流出については、当然、安全審査の際にチェックしていると言っているんですよ。しかし、今回は、法律もあり、チェックしていると言っておったんだけれども、流出をやっているわけですね。
これは、高レベルであれ中レベルであれ低レベルであれ、すべての放射性物質の海洋投棄を禁止するという方針をとっているんです。そこで、官房長官に伺っておきますが、今回の東京電力のやっている措置は、ロンドン条約違反、原子炉規制法違反ということになってくるんじゃありませんか

〇枝野国務大臣 今回の低濃度の放射性排水の海洋排出は大変遺憾なことであるというふうに思っておりますし、また、その判断自体、大変厳しいものでございました。
ただ、御理解をいただいているとおり、原子力発電所からは直接、より高濃度の水が海に注ぎ込んでおりました。この濃度は、一立方センチ当たり五百四十万ベクレル程度の高濃度の水が海に直接注ぎ込んでおりました。これをとめ、なおかつ、これが建屋などに大量にたまっていて、ほうっておけば、いずれさらに、一たんとめてもこれがあふれ出すことが想定されるという状況でございました。
何らかの形でこれらの水をしっかりとプールするということについて対応しておりましたが、今回、排出せざるを得なかった施設、正確に申しますと、たまり水等、ここのところの、集中廃棄物処理施設をあけて高濃度の水をプールする場所を確保しないと、この五百四十万ベクレル・パー・立方センチの水が将来あふれ出る。現に漏れていたわけでありますけれども、同時に、その漏れをとめたとしてもさらにあふれ出る可能性が高いという状況の中で、約二十七万分の一と聞いておりますが、相対的に低い濃度の水を放出することによって高濃度の水の受け皿を確保する、相対的には影響の小さい方法を緊急避難的にとらざるを得なかったということで、今回の放出をやむを得ない措置と判断いたしました。
原子炉等規制法による対応としては、六十四条一項に基づく危険時の措置として、緊急避難として許されるものであるというふうに考えております。また、条約等の関係については、外務省の方から、当然望ましいことではないことではあるけれども、直接条約に違反するものではないという報告を受けております。

〇吉井委員 そもそも、今度流した低レベルと言っているのは、高レベルをそっちへ移すためと言っているが、高レベルと低レベル、どこが違うのかということをはっきりさせなきゃいけないんですよ。
低レベルのデータはないと言っているんです。低レベルに今はなっているというけれども、例えば放射性沃素の場合、これは半減期が八日間としますと、大体三カ月もたてばレベルがぐんと落ちるのは当たり前なんですよ。しかし、問題は、セシウムとかストロンチウムとか、どれぐらいのものが低レベルと称して流されてしまったかということが大問題なんですよ。私は原子炉規制法の今おっしゃった条項もよく知っていますけれども、それを理由にして簡単に出しちゃいけないんですよ。これはロンドン条約の違反なんですよ。
やはり大事なことは、私が一九九六年に科学技術委員会で指摘したように、例えば石油タンクだって、わかりやすい話ですが、これは今度壊れていますから話になりませんが、石油タンクだって第一の防油堤があるんです。タンクの油が仮に全部漏れたとしても、防油堤におさまる。第二次防油堤としては、海岸線に堤を設けて、絶対に海洋に原油が出ないようにする。そういう対策をとっているわけなんですよ。
ですから、今度の場合だって、低レベルだからといって簡単に捨てちゃならないんです。そういう対策をとってこなかったということは、やはり重大な問題ではありませんか。

〇枝野国務大臣 吉井委員からこの間御指摘をいただいておりますとおり、今回のような津波に対する対応を準備してこなかったこと、それから、今御指摘いただいたとおり、やむを得ず原子力発電所から放射性物質を含んだ水が出ることになっても、それが海洋中に拡散しないように準備、備えをしておくこと、こうしたことをあらかじめしておかなかったことは、これは適切な対応ではなかったと私も思っております。
今後こうしたことのないように、あらゆる原子力発電所についての対応を今しっかりと見直させているところでございます。

〇吉井委員 いずれにしても、今回の低レベルと称する廃棄物、中身は本当は、線量は仮に低いとしても、放射性核種によっては長期にわたって生物に被害を及ぼすようなものが放出されたということについては、これは私は明白にロンドン条約違反だと思います。こういうことは絶対許してはならないということを申し上げておきたいと思います。
次に、三月十二日の日に、原子力保安院は、消防庁長官に対して施設を冷却するための装備を持った消防隊を派遣してほしいと要請しております。それに基づいて、東京消防庁、仙台消防庁に、海水利用型消防放水システムを持つ部隊に緊急消防援助隊として派遣要請が行われて、官房長官は保安院に、保安院は消防庁にということで、消防庁は各自治体消防庁へ、あるいは消防局へ派遣要請しているわけですが、同時に、同じ十二日の日の十五時三十六分には福島第一原発の一号機で水素爆発があって、出動した消防車は途中で戻りなさいという指示が出ているんですね。
そもそも、まず最初に原子力安全・保安院が消防庁長官に対して施設冷却のために消防車の出動を依頼したのは、十二日の日の何時何分になるんですか

〇寺坂政府参考人 お答え申し上げます。
正確な何時何分という時間についてはちょっと今持ち合わせてございませんけれども、私どもの方から消防庁の方へ御依頼を申し上げたことは事実でございます。

〇吉井委員 私は、そういう時系列についてはちゃんと持っておいてもらわぬと困ると思うんです。なぜそれが大事なのかといったら、つまり、圧力容器に真水を注入することができるのかできないのか、この判断ともかかわってくるんですよ。
それで、消防車が駆けつけて、消防車の力をかりて真水を入れるのか、海水を入れるのかという判断にかかわってくるんですが、改めて枝野長官に伺っておきますが、当初は、ECCS(◆注:Emergency Core Cooling System=非常用炉心冷却装置)がだめになっても、圧力容器へ真水を注水するライン、そこには消火栓、消防配管も活用して真水を注入するということも最初は検討していたんじゃありませんか。

〇枝野国務大臣 正確かつ詳細なことについては経済産業省、保安院にお尋ねをいただければというふうに思いますが、早い段階から、つまり冷却がとまったという段階から、とにかくあらゆる手段を使って水を注ぎ込んで冷却を続けなければいけないということで、具体的に特定の手段に絞ってではなくて、注水の方法も含めて、さまざまなやり方を同時並行で、何なら一番早くできるのかということで作業を進めていただいていたというふうに認識をしております。

〇吉井委員 それでは、私もあらゆる手段で冷やさなきゃいけないと思うんですが、そのときに、本来、消火栓配管が原発の中にいっぱいあるんですよ、それが使える状態だったのか地震の第一撃で、柏崎刈羽のときのように切断されてしまっておったのか。その状況はどのように把握しておられましたか

〇寺坂政府参考人 消火栓の状況に関しましては、事態の推移の中で必ずしも十分な把握ができていない部分があったかと思いますけれども、消火栓は使用ができるというふうに私どもは考えてございました。

〇吉井委員 消火栓が使えるか使えないかということは、真水で注水できるのか、海水を使わなきゃだめなのかということにかかわってくる大事な要素なんですね。東電の判断がどうも経営判断中心で、海水を注入すれば廃炉にしなきゃいけませんから、株主代表訴訟等で訴えられることを恐れているという個人的な思惑や東電の利益をどう守るかということが働いて、冷却が非常におくれたというふうに思うんですよ。
これは重大な問題だと思っているんですが、一方で、まず基礎的なデータをちゃんとつかまなきゃいけないんです。
この真水か海水かという問題もそうなんですが、原子炉基盤面だけでなくて、タービン建屋を初めとする各所に設置されていた地震計の示した振動データですね。どうも、いただいているデータを見ておりますと、針が振り切れてしまってよくわからないとか、非常に大きな規模の地震動で、後の津波の問題だけが中心になっておりますけれども、巨大な地震に備えるだけの原発じゃなかったと。第一撃で地震計の針も振り切れたり、データも出てこないようでは、最初から話にならないと思うんです。
中には、宮城県栗原市の震度七のところのデータで二千九百三十三ガルというのがあるというふうにも伺っているんです、これは私、今確認中なんですが。原発敷地内で最大を記録した振動数が幾らであったのか、針が振り切れてしまっておったらそもそもわからないんですけれども、何かわかっていますか。

〇寺坂政府参考人 現時点におきまして、基準地震動に対します加速度において、基準地震動を超えているものがあるということまでは確認できておりますけれども、それ以上の、周波数等の分析にはまだ至っておりません。できるだけそこはきちっとしなければいけないものだと承知してございます。

〇吉井委員 枝野長官にもお聞きいただいて大分感じてはると思うんですけれども、要するに、基礎的なデータがまだ何にも公開されていないんですよ。地震動も出ていない、低レベル放射性廃棄物の、流した汚染水の核種も濃度も何もわからない、そういう状態が続いているんです
私は、なぜこういうことを取り上げるかといいますと、配管や格納容器あるいは圧力容器、バルブとか、その健全性が地震動のような基礎的なデータと物すごくかかわってくるんですよ。これが公開されていないものですから。窒素封入で空気をパージしている格納容器の圧力が上がらないというのは、多分漏えいがあると思うんですよね。それから、圧力容器の下部から制御棒案内管や核計装案内管などが多数圧力容器に入っているわけですが、ここが放射能汚染水の漏えい箇所になっている可能性が十分あるわけですね。これは自然な見方なんです。
だから、破損箇所のデータが、どこがどうなっているのか、地震動を含めたそういう基礎的なデータを全部公開しないことには、学者、研究者もエンジニアも、みんな対策の協力のしようがないんですよ。なぜこれが出てこないのか。これは、東京電力が情報を出さないのか、政府が出させることができていないのか、データは出させているんだけれども政府が情報を公開しないのか、伺っておきます。

〇枝野国務大臣 政府としては、私から、まず行政機関、これは広い意味での行政機関である原子力安全委員会も含めて、持っているデータはすべて公表をする、あるいは、詳細にわたる部分については、お尋ねがあったらそれをお知らせするということをするように繰り返し指示をしてきているところでございます。また、東京電力に対しても、必要な情報は政府に対してしっかりと報告をするように、また、求めがあったら情報を提供するようにということを繰り返し申し上げてきております。
したがいまして、政府あるいは東京電力が持っていながら、お求めに応じて出していない資料があるとすれば、それは許されないことだというふうに思っております。データそのものがないとか、あるいはデータそのものの整理をするのに若干の時間がかかるということであれば、そのこともしっかりとお伝えをした上で、必ず、できるだけ早く、求めがあって、なおかつ持っているデータは公表させるように改めて指示をいたします。

〇吉井委員 これだけ危機の時代に、東京電力がぐちゃぐちゃ言ったら話にならぬと思うんですよ。だから、もう政府が乗り込んで指示してでも全部やらせ切る、ぐちゃぐちゃ言うようだったら、ぐちゃぐちゃ言う連中をほうり出してでもやるぐらいの構えを持たないと、今、国民の危機なんですよ、その危機に対応できないということを申し上げておきたいと思うんです。
官房長官に伺っておきたいのは、今回の大地震、津波、原発災害は、これは大規模災害に当たると思うんですが、認識を伺っておきます。

〇枝野国務大臣 まさに大規模な災害だと思っております。

〇吉井委員 情報収集衛星というのは、大事な目的に掲げているのは大規模災害への対応だと思うんです。これはちゃんとうたってあるんですが、この点は大臣も認識は一緒ですね。

〇枝野国務大臣 情報収集衛星は、今御指摘の点を含めて、幅広い目的のために保持しているものでございます。

〇吉井委員 情報収集衛星を利用している関係省庁というのは、内閣官房のほかに、外務省、防衛省、警察庁、公安調査庁、海上保安庁、国土地理院、経済産業省、消防庁なんですが、今回の大地震、津波、原発災害の対応に直接関係がある省庁にそれぞれ私は尋ねてみたんです。この省庁に聞いたら、情報収集衛星の画像の提供は受けているが、どのように活用しているかお答えできないというところから、提供を受けているかどうかさえ答えられない、活用しているかどうかも答えられないという省庁まであるんですよ。
それで、ここに地図を持ってきているんですけれども、これは国土地理院の方が当日の津波について出した資料なんです。これを見れば、女川原発についても、それから福島第一、第二原発についても、津波をかぶっている資料はちゃんと出ているんです、国土地理院の方は。ところが、内閣官房内閣情報調査室の方から出てきた網がけ資料では、津波をかぶっている女川原発の津波のデータがないんですよ。福島第一原発以降、関東に至るまで、津波の被害は全く出てこないんですよ。
これはだれが考えてもおかしいんじゃないですか。何のための情報収集衛星なんですか。こういう大規模災害に備えて役割を果たすのが、今まで八千億円を超える国民の税金を使ってきた情報収集衛星の本来の目的なんじゃないですか。

〇枝野国務大臣 情報収集衛星については、今回のような大災害等への対応もその目的としており、必要な情報を収集し、官邸を初め利用省庁に提供することになっております。
ただ、これは吉井先生とは御意見が違うかもしれませんが、情報収集衛星は一方で外交、防衛等の安全保障目的にも運用をしているものでありまして、その能力等について、あるいは運用の具体的な中身について公開することは、安全保障上の観点からできない性質をも帯びているものでございます。
したがいまして、個別具体的な運用実態については安全保障上の観点からお答えすることができませんが、利用できるものについてはしっかりと利用させていただいているということは申し上げたいと思います。

〇吉井委員 枝野さんにしては何か珍しく官僚の作文を読んでおられる感じなんですが。
内閣情報調査室は、災害を受けた場所について、今も示しました被災状況推定地図というのをつくっているんです。それで、関係行政機関に配付しているということに一応なっているんですが、まず、津波の被害を受けた箇所を地図上で、ここにあるように赤い線で引っ張っているんですけれども、地図の縮尺は約五万分の一です。
そもそも、津波をかぶって被害を受けたところで、こんな地図をもらったって何にもわからないんですよ。実際に現場で使うに当たっては、こんなものは間尺に合わない。衛星が撮影した画像というのは細かい部分まで映っているんですよ。最前線の現場で苦労しておられる消防の皆さんとか警察庁の皆さんとか、救援活動をするには、少なくとも、例えば千分の一とか五百分の一程度の地図でなければ役に立たないんです。しかも、被災地は道路も何にもないわけですから、とにかくこの衛星画像というのが重要なんです。
どこかの国やらの、ほかの情報を出せと言っているんじゃないんですよ。これだけの原発災害の起こっているところについて、だって、放射線を浴びながら消防活動をやっているんですよ。そういう人たちに、衛星写真でないとわからない映像を出して、ちゃんと提供して働けるようにするとともに、学者や研究者の皆さんにも、この間言いましたように、研究者番号を言っていただいたらその人には公開するとかして、いろいろな知恵を結集するということをやらなかったら、情報収集衛星なんというようなものは八千億円余りの全くのがらくたにすぎませんよ。
こんなことをやっておったらだめなんじゃないですか。もう一度伺います。

〇枝野国務大臣 本当に外交、防衛、安全保障上の観点から、具体的な能力あるいは具体的な運用についてお答えすることができない、こういう性格のものであるというふうに私も思っております。
したがいまして、具体的にどう使ったのか使わなかったのか云々についてはお答えできませんが、ただ、この間、私からは、こうした事態でありますので、外交、防衛、安全保障上の観点からという配慮は必要最小限のところにとどめて、使えるものについては最大限使うようにという趣旨のことは指示をいたしておりまして、その指示に基づいて、使えるものについては最大限使わせていただいているというふうに思っております。

〇吉井委員 まあ、どこかの国の独裁者か何かのしりを追っかけるぐらいに八千何百億円は使うんだけれども、これだけたくさんの国民がこれだけ大地震、津波で苦しんで、その上、まだ放射能汚染の見えない恐怖におびえているときに、その画像すら対策に使えないというのは本当に情けない話だと思うんです。
時事通信社の記事によりますと、JAXAの滝口防災利用システム室長は、被災地の実情は地元の人にしかわからない、自治体の人や研究者が画像を見れば役立つこともあると。東工大の翠川三郎教授、地震工学の教授ですが、衛星軌道などは既に知られている話で、公開のデメリットもあるだろうが、この大震災で全く情報が出ないのは不思議だと。ネット上も、毎日観測できるからこそ情報収集衛星は有用だ、同じ条件で一日二回観測できる環境だからこそ災害復旧には必要なデータがとれるんだということが言われていますよ。
これを、一九九八年度から二〇〇九年度までの決算トータルに昨年度予算と補正予算、今年度予算を合わせますと、八千二百四十八億円使っているんですよ。これだけの大きな金を使って、情報収集衛星の目的は大規模災害対応なんだけれども、全く活用できていない。こんな予算の無駄遣いは全部ゼロにして、地元の復興予算に回したらどうですか。私は、こういうことこそやるべきだと思うんですが、官房長官の決意を求めて、質問を終わりにしたいと思います。

〇枝野国務大臣 これはまさに安全保障の観点でございますので、今、私の一存でどこまでどう申し上げていいのか難しいところはあるんですが、先ほど申しましたとおり、安全保障上の観点から、能力や運用実態の具体的なところを公にすることはできないというふうに思っておりますが、そうした配慮は必要最小限にとどめて最大限活用するようにという指示をいたしまして、それに基づいて、利用できるものについては最大限利用するようにという姿勢で対応をいたしておりますので、全く利用していないという状況ではないということは御理解をいただきたいというふうに思います。
また、御指摘の趣旨は非常に理解をいたしますので、現状の対応が外交、安全保障上の観点で本当に必要最小限の配慮であるのかどうか、それは改めて確認をしてみたいと思います。

〇吉井委員 時間が参りましたので終わりますけれども、この無駄遣いは、こういうものこそ事業仕分けをして、今回の被災地の復興支援に使うべきだと重ねて申し上げて、質問を終わります。

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