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H23.04.06 吉井議員(共産)、国の原子力安全行政の役割、事故前後のシビアアクシデント・マネジメント

3.11福島第一原子力発電所事故
国会議事録 177-衆-経済産業委員会-3号 平成23年04月06日
質問者: 日本共産党・吉井英勝議員

論点
– 原子力安全委員は、①30年前のNRC報告書および、②2010年10月のJNESレポートにおいてステーションブラックアウトに陥れば短時間で格納容器の破損するというシビアアクシデントマネジメントレポートについて実際にこれをどのように取り扱い、どのような対策を指示してきたのか

– 原子力安全委員会・班目委員長は、3月11日、22時、機器冷却系が機能しないということを知ったとき、この状況をどう認識し、具体的にどんな指示を東電に下したか。

– 当日の午後10時から翌日にかけての数時間一番厳しい時間帯、そして翌日12日の1時30分、原子力安全委員、総理大臣、官房長官、経産大臣、それぞれどんな行動をとっていたのか。


– – – – – ここから – – – – –
〇吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
私は、まず最初に、今回の地震、大津波で犠牲となられた方々に対して哀悼の意を表したいと思います。それからまた、今も大変な生活を余儀なくされている被災者の皆さんに心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
地震と津波というのは、これは間違いなく自然災害です。しかし、全電源喪失と炉心溶融という問題については、実は私は、二〇〇五年の質問主意書以降、二〇〇六年の国会質問なども通じて、ずっとこの問題を取り上げてきたんです。対策をとらなきゃだめだということを言ってきたんです。
最初、寺坂原子力安全・保安院長に伺っておきますが、昨年五月二十六日の当委員会で、私の質問に対して、全電源喪失で炉心溶融は論理的には考え得ると答弁しておられました。今回の原発事故というのは、論理的な話じゃなくて、現実のものとなったのではありませんか。

〇寺坂政府参考人 お答え申し上げます。
昨年五月、吉井委員からの御質問に対しまして今御指摘のような答弁をしたことは事実でございます。原子力発電所におきましては、複数の非常用ディーゼル発電機の起動、あるいは直流電源の活用、他号機からの電源の融通、そういった多重性や多様性を持った対応を図ることによりまして、重要な事故に至ることのないような、そういう対策がなされてきていたわけでございます。そのような意味におきまして、それぞれの要素につきまして可能性が大きくはない、そういう認識のもとに昨年の答弁を申し上げたところでございます
現実に、ただいま御指摘のような事態が発生をしたわけでございまして、そのような意味におきまして、私の当時の認識におきまして甘さがあったことは深く反省をしているところでございます。

〇吉井委員 私は、次に鈴木原子力研究開発機構理事長に伺っておきたいんです
実は、二〇〇六年、ちょうどあなたが原子力安全委員長であった当時の三月一日の予算委員会で、私は、津波の押し波と引き波、これにより機器冷却系が取水不能になる問題なども取り上げ、同年十月二十七日の質問では、地震による鉄塔倒壊で外部電源喪失となり、内部電源が事故に遭ってディーゼル発電機もバッテリーも働かなくなるという問題で、鈴木委員長のこの点での予測を質問しました。
この全電源喪失の場合の原子炉停止後の機器冷却ができなくなる問題についての質問に対して、鈴木委員長は、同じバックアップを多重に持つ、ディーゼル発電機だけでなく直流も持つ、それぞれ複数機持つ、これを設計段階で確認していると答えられたわけです。シビアアクシデントマネジメントの考えはなかったんですけれども、答弁ではこう言っておられました。シビアアクシデントマネジメント、非常事態における管理で、日本の場合には、同じサイトに複数のプラント、つまり同じ原発敷地内に幾つも原発があるので、ほかのプラントに融通するとか、どこかが故障して全電源喪失になっても、ほかの原発から電力を融通してもらえるんだ、こういうお話でした。非常に多角的な対応を今事業者に求めていると。耐震指針を改定した、さらに基準を超えるような大きな地震が来たときにはどうなるか、事業者に、評価してください、数字で確認するなどしてくださいという、これが方針だと答弁されました
全電源喪失というのは、要するに、他の外部電源や、同じ原発敷地内の他の原発からの融通や、その原発自身に設置してあるディーゼル発電機とバッテリーの組み合わせにより、設計上ちゃんとしてある、大丈夫だというお話だったわけです。
三月十一日に原発が停止した後、福島第一では、機器冷却系を動かすすべての電源、これは喪失したんじゃありませんか。

〇鈴木参考人 お答え申し上げます。
それは、私が原子力安全委員会の委員長を仰せつかっていたときのお話ではございますが、そのとおりお答えしたと思います。
現実にこのような事故が起きておりまして、私は、原子力に長年携わっております者として、国民の皆様方に大変な御心配、御心労、御迷惑をおかけしていることに対しまして大変申しわけないと思っておりますし、私自身、痛恨のきわみでございます。
今先生お尋ねの件につきまして、私は考え方はそのとおりだと思っておりますが、結局は、具体的にそれに対してどのような手を打つかということ、つまり、多重性、多様性について、実際、設備対応ないしその運転管理に当たって具体的にどのような考え方をとるかというところが、私は、今後大いにこの事故を反省して考えなきゃいけないことだ、そのように思っております。
例えば、他の号機からの融通について言えば、今回のように、一から四につきましては、すべて同じような設計のものを、DG、ディーゼル発電機を同じような設置にしてあったのでは、これは本当の意味での多重性にならないことは明らかでありまして、そういうことについて我々はよく反省しなきゃいけない、そのように考えております

〇吉井委員 二〇〇二年五月に、東京電力のアクシデントマネジメント報告書というのが当時出ておりましたが、この中でも、要するに、DGとバッテリーがあるんだということと、それから外部電源が喪失しても同じサイト内の他の原発から融通してもらえるんだということを東電自身が書いていたわけです。
しかし、そうじゃない、全電源喪失の場合にきちんと対応できることが必要なんだということを私は言ったんですが、その全電源喪失の可能性の検討と、それへの対策をとらせないまま来てしまったということ、そして原発は大丈夫だと判断した、今も少しお話がありましたけれども、当時の答弁とか考えというものは、やはりこれは間違っていたのではないかと思いますが、どうですか。

〇鈴木参考人 お答え申し上げます。
先生おっしゃるように、このような事故が現実に発生した以上、過去のことが正しかったということはないんだと思います。ないんだと思いますが、考え方として、やはり多重性、多様性が一番重要であることは、これは変わりがないと思います
私、先ほど申し上げましたように、それをどのように実際に設計であるとか実際のアクションにつなげるか。例えば、今回も、五号機、六号機においては、DGの一つが、私の聞いているところでは、いわゆるガス冷却ですね、空冷のものだったということで、それが辛うじて生きていたために何とか、一から四に比べますと五から六は状況が随分変わっているということがございます。これは一種の多様性だということで、そういうことを今後十分に検討していかないといけない、そのように考えております。

〇吉井委員 ほかで動いたのが一つだけあったといったって、融通できないわけですから、それは全然違っておったということをやはりきちんと考えなきゃいけないと思います。
班目委員長に次に伺いますが、今回の原発災害について、東京電力社長も菅総理も、想定外のことだったと発言をしておりました。
NRCは三十年前に実験して検討しておりましたし、各国の過酷事故対策、シビアアクシデントマネジメントの中では、全電源喪失というのは考えていたんじゃありませんか

〇班目参考人 先生のおっしゃるとおり、各国ではこの問題をかなり注視していたのは事実でございます。

〇吉井委員 そこで、続いて伺っておきたいんですけれども、JNESの報告書昨年の十月に、全電源喪失の対策と。これによると、〇・六時間後には燃料が落下する、一・八時間後には圧力容器が破損する、十六・五時間後には格納容器の過温による破損。この破損の仕方はいろいろあります、爆発で破損する場合もあれば、いろいろな形があり得ることですけれども、しかし、それはJNESがちゃんと昨年の十月に出していたと思うんですよね。それに対してどのように対策を指示してこられたのか、伺っておきたいと思います。

〇班目参考人 原子力安全委員会としましては、この全電源喪失ということに対して事態を非常に重く思っております。
それで、こういう場合のアクシデントマネジメント対策というのを事業者にみずからきちんと定めさせており、それを保安院を通じて我々も伺っております。したがって、それに沿ってきちんとやるようにという指示を私どもの方としては進言してきたということでございます。

〇吉井委員 シビアアクシデントマネジメントをちゃんとやらせる。実際に事故があったときに、シビアアクシデント、今度はマニュアルですね、それに基づいてきちんと対応するということをさせなきゃいけないと思うんですよ。それをやれば全電源喪失という事態は、これはまず起こらないようにさせなきゃいけないんですが、起こった場合にも、直ちに緊急に対応するというマニュアルがないと全くお話にならないと思うんです。
班目委員長に伺っておきたいのは、地震や津波があろうがなかろうが、原発では、シビアアクシデントマネジメントとして全電源喪失を考えて、いかなる場合にも今回のような事態を起こさせないというのが本来の国の原子力安全行政であり、原子力安全委員会の使命ではないかと思うんですが、委員長、どうですか。

〇班目参考人 まさにおっしゃるとおりだと思います。
したがいまして、今回の事故を深く反省し、先生のおっしゃるとおり、二度とこのようなことが起こらないように指導してまいりたいと思っております。

〇吉井委員 ほかの原発で同じようなことが次々と起こると大変な話になってまいりますが。
海江田大臣、そこで伺っておきたいんですが、想定外という言葉は、実はこれまでから原発の事故が起こるたびに結構よく使われているんです。二〇〇七年七月十六日の新潟県中越沖地震によって、柏崎刈羽原発は、約三千カ所を超える事故、故障、破損箇所が生じました。このときも、あれは想定外だったというのが最初に聞かれた言葉です。
地震、津波。津波については、今度の場合は押し波の方の被害が大きいんですが、東北の地震、津波ですと、引き波で冷却水がとれないという問題も出てくるんです。これは二〇〇五年、六年に私は国会で取り上げたわけですが、何度も指摘してきたんです。
そこで、海江田大臣に伺っておきたいのは三月十一日の、地震から一時間後の十五時四十二分には全電源喪失による炉心溶融の可能性を認めながら、なぜ東京電力に早い時点で指導あるいは炉規制法に基づく命令をしなかったのか、あるいは、指導したんだけれども東京電力は指示に従わなかったのか、これはどういうことになっているんですか

〇海江田国務大臣 想定外ということは、先生おっしゃるように、私もなるべく使わないようにしております。既に、そういう想定外ということを過去に言って、そしてその想定を超えるものが現実の問題として起こったわけでございますから、その意味では使うべきではないというふうに思っております。
その上で、東京電力の最初の、初期の動きでございますが、今、私の記憶の中にございますのは、最初はマグニチュード八・八とかいう報道がございましたけれども、大変激烈な強い地震が起きましたから、当然、私は、原子力は平気かということで関心を持ちまして、そして、東京電力は、その時点ではすべて停止をしたという報告がございました。そして、むしろ、最初に私のもとに東京電力から入ってきました情報というのは、しかし、大規模な停電が生じていると。これはちょうど夕方でございました。まさにこれからこの首都圏でも夕げの支度などが始まるころでありましたけれども、大規模な停電が発生をしたということがまず入ってまいりまして、原子炉の方はきちっと停止をしたという報告がありましたので、安心をしました
しかし、その後の事態というのは委員御指摘のとおりで、私どもがいよいよこれは原子力の状況が深刻であるというのは、やはり夕刻、私もすぐ官邸に行きまして、そのまま危機センターの中に入っていきまして、夕刻の八時を回ったころからだろうと記憶をしております。ただ、これは今、私の記憶に基づいての発言でございますので、後でしっかりと精査をしていかなければいけないと思っておりますが、夕刻になって、それからまさに日付が変わる直前、そこから本当にいよいよ、ベントの問題あるいは海水の注入の問題、こういうことをやらなければいけないということで、そうした指示は、日をまたいででありますが、深夜、まずベントの指示を出したところでございます。

〇吉井委員 地震が起こって一時間後に、既に全電源喪失による炉心溶融の可能性を認めていたわけですよ。
さっきもJNESの報告を御紹介しましたが、〇・六時間後には燃料落下、一・八時間後には圧力容器の破損、十六・五時間後には格納容器の過温破損、そういう可能性もありという、これはJNESの方でちゃんと報告書をまとめていたわけですね。そうすると、ただ原発がとまったから安心というものじゃないんですね。自然崩壊熱を取り去らない限りどんどんどんどん温度が上がっていくのは当たり前の話ですから。
そうすると、直ちに、早い時点で、東京電力に指導するなり、あるいは炉規制法に基づく必要な命令を下すなりしたのかということと、それから東京電力はそれに従わなかったのかということを今伺っているんです。そのことだけなんです。簡潔で結構です。

〇海江田国務大臣 法律に基づく命令というのは、日をまたいでのことでございます

〇吉井委員 ですから、その時点ではやっていなかったということです
班目委員長は御専門ですから伺っておきたいんですけれども、マグニチュード九の地震で、まず、原発の機器の傷みはどういう状況なのか。それから、津波によるDGなどの健全性がどうなっているのか。また、燃料タンクや配管は大丈夫なのかどうかとか、機器冷却系の熱交換器と配管は大丈夫かとか、そもそも制御棒が一〇〇%入ったのか。地震等で途中でとまっていますと、一応はとまった形になっているんだけれども、部分的には臨界状態があって中性子が出てくるとかあり得るわけですね。そういう基礎的なデータというものが、地震の後、班目委員長のもとにちゃんと届けられたのかどうか。それから、現在、これらについて、そういうデータはきちんと届いているのかどうか、これを伺っておきます。

〇班目参考人 当日の私の行動を申し上げます
当日、夕方になって原子力災害対策本部が立ち上がりまして、緊急参集いたしました。その前、若干時間があったのでございますが、その間に、少なくても制御棒は全部挿入されて炉はとまったという報告は受けてございます。
それから、その他の情報についてでございますけれども、その後は、私、官邸の方にちょっと詰めてございまして、やや情報から遠ざかってしまった。しかしながら、少なくても最低限の知識として、このような場合においても、バッテリーさえ生きていれば、一号だったらアイソレーションコンデンサー、二号、三号だったらRCICというのが生きていれば、しばらくの間はもつという知識は持ち合わせてございました

〇吉井委員 一応制御棒は入ったという話、これは入ったから一応とまったんですよ。それはよくわかるんです。しかし、巨大地震によって、一〇〇%、一本でも二本でも入り切らなかったら、部分的には臨界も残ることはあり得るんですよねだから、中性子が測定されたという話も出てきたのはそういうことだろうと思うんです
原子炉停止後の核燃料の自然崩壊熱による温度上昇を避けるために機器冷却系が働かなくてはならないわけですけれども、これが地震でまず送電鉄塔が破損した、これは保安院からいただいた資料で、倒壊したということですから、外部電源がだめその上、内部電源を構成するDGが津波で破損した。何とかいけたバッテリーも、三月十一日の夜の十時ごろには大体ダウンの方向へとバッテリーは時間が来たらだめになりますから。外部から持ち込んだ電源車からの電源接続もなかなかうまくいかない
だから、機器冷却系が機能しないということになって、当日の二十二時だったと思うんですが、二十二時五十分には炉心が露出する、二十三時五十分に燃料被覆管が破損する、そして二十四時五十分には燃料熔融の可能性あり保安院は予測したと発表されております
班目委員長と寺坂原子力安全・保安院長は、これは深刻な事態だと考えて危機感を持って臨まれたのか、まあ何とかなると楽観的なものもお持ちだったのかを伺っておきたいと思います。

〇班目参考人 まことに申しわけないんですが、JNESによる解析結果というのは当時持ち合わせてございませんでした。したがって、時間的なことで、どれぐらい緊急を要しているかは当時把握してございませんでした
しかしながら、アイソレーションコンデンサーとかRCIC、最初にRCIC、二号機がとまっていると聞いたときには、もうかなりびっくりして跳び上がったぐらいなのでございますが、危機的な状況にあるということはよく認識しているので、直ちにアクシデントマネジメント対策として定められたプロセスに移るようにというふうに進言したところでございます。

〇寺坂政府参考人 全電源喪失状態になりまして、非常に深刻な状態に至っているという認識は持っておりました。
一方で、アイソレーションコンデンサーあるいはRCIC、そういったものがまだ機能している、そういうこともございまして、その間にしっかりと対応を重ねていかなければならないという意識のもとに行動をしたわけでございますけれども、結果におきましてそこが届かなかったという点は深く感じておるところでございます。

〇吉井委員 こういう場合、要するに、蒸気を抜いて圧力を下げることと、圧力が高かったらもともと冷却水が入らないわけですけれども、外から冷却水を注水して温度を下げるという、とりあえずは、まずこの二つのことが大事になりますね。
大体一千度Cを超えますと、水とジルコニウムの化学反応が始まって、発熱反応ですから、どんどんジルコニウムの被覆管が溶け出すというのは当然のことでありますし、同時にそれは水素が発生するということになってくるわけですから、炉心が一部でも冷却水の上に出てしまうと、さらにそれが反応が激しくなってきて水素が出る。
ですから、スタックから放出すること、また、建屋内の水素に関しては、建屋の屋根に設置してあるはず。もっとも、これはGEの最初のものですからまだなかったのかもしれませんが、まずその水素ガス抜き用の弁をあけること、あるいは、建屋内に窒素ガスを入れて空気をパージする、置きかえるということが大事なことだと思うんです。
いずれにしても、圧力を下げることと、直ちに、真水が一番いいんですが、真水が不足すれば海水を注入してでも炉心を冷やさなければならない、炉心の露出を防がなくてはならないということ、このことを東電幹部が断行するか、政府が東電に対して断行させるか。最も厳しい局面だったんですね、この時間帯というのは
当日の午後十時から翌日にかけての数時間というのは非常に厳しい局面だったと思うんですが、班目委員長はこのときどういう判断を下して、政府や東京電力に対して、意見具申といいますか、何をやりなさいということを言われたのかを伺っておきます。

〇班目参考人 とにかく真っ先に考えたことは、燃料を溶融させないこと。ですから、燃料を冷やさなきゃいけない、これをアクシデントマネジメント対策どおりに行えればそれは防げるはずであるということで、とにかくそれをしなさいついては、格納容器を過圧破損させないためにもベンティングはもちろん必要ですというふうに申し上げたと記憶しております

〇吉井委員 一番大事なその局面で、東京電力が圧力を下げるための作業に入ることと、炉心が露出しないように冷却水を注入するということをやるかやらないかという非常に大事な局面だったわけですよね、そのときは。
私は、委員長が本部へ詰められて、そして意見を述べられたその時期というのは、最も厳しい局面で、厳しい判断をしなきゃいけなかったときだと思うんですが、もう一度確認しておきます。

〇班目参考人 それが例えば何時何分であったかとかいうことはちょっとさすがに全く覚えていないので申し上げられませんが、まさにそういう一番厳しい時期にそのような進言をしているというふうに記憶してございます。

〇吉井委員 一番大事な局面で、原子力安全委員会委員長班目さんと政府の対策本部長である菅総理の二人は、その時期に本部に四時間半いなくなったんですね。これは、班目委員長、間違いないですね。

〇班目参考人 はい。未明にヘリコプターで現地に参ったことは確かでございます。

〇吉井委員 大事な時期に、判断をする責任者と、意見を具申するといいますか、専門的に助言しなきゃいけない方が二人ともいなかったというのは、これは重大な問題だというふうに思うんです。
それで、地震と津波は自然災害なんですが、しかし、全電源喪失による炉心溶融の危険を私が五年前から何度も指摘したのに、対策をとらない、耳を傾けてこなかったというのは、一つの重大な問題だと思うんです。
二つ目に、最も厳しい判断を要する局面で、その対策を断行させるということをやり切らないで炉心溶融を招いてしまった。大気も海水も土壌も放射能汚染させ、多くの人々を長期にわたる避難民の状態に置いて、遠く離れた地域の農業者や漁業者の経営を壊してしまった、首都圏の乳幼児の飲み水まで危険にさらした。
この点で私は海江田大臣に伺っておくんですが、今回の原発事故というのは、これは人災じゃないですか。

〇海江田国務大臣 人災かどうかということをお答えする前に、先ほど私の記憶でお答えをいたしましたけれども、十一日十四時四十六分に地震発生で、同日の十九時〇三分に原子力緊急事態を宣言して原子力災害対策本部を設置したということでございますから、この十九時〇三分の段階では、もちろん原子炉が大変なことになっているという認識は持っていたということでございます。
その上で、今、班目委員長を初めとした方々がいなかったということでありますが、これは私の方には、その前の段階で、既に、まずベントだ、ベントをやって、これは、委員一番お詳しいわけでございます、ウエットベントですから、もちろん放射性の物質が全く外へ出ないというわけではありませんが、水を通しますので、それが低減されたものが出るということで、その指示を既に発出して、そして、あと避難命令、退避と避難の指示をしたところでありまして、その意味では、そういう指示は行って、その後、やはり現地を見なければいけないということで現地に行ったということでございます。
それから、最後になりましたけれども、人災かどうかということでございますが、これは今まさに、この委員会での議論も通じて、それから、もちろん資料の保全というのはしっかり命じてございますから、そういう資料をもとにして、一体何が原因で、そしてどういう経過をたどってこういう事故になったのかということをはっきり明らかにしていきたいと思っております。

〇吉井委員 検証は検証としてやるにしても、今回の原発事故は、事前に手を打てば、ああいう事態にならずに済んでいるんですよ。その点では、自然災害であった地震、津波以降の十数時間というのは極めて緊張した重大な時間であったのに、きちんと対応しなかったことは人災だという自覚をやはり持たなきゃいけないというふうに私は思います。
それで、枝野長官に伺っておきます。
十二日の一時三十分に、首相と経済産業大臣の了解を得て、ベントを急ぐように指示したとされておりますが、圧力を抜かないと圧力容器の破壊につながる、同時に、圧力が高いと冷却水を原子炉に入れることができないという事態、すなわち炉心溶融がさらに危険な事態に進み得るということを認識されて、それで、総理大臣または官房長官は、はっきり東京電力に対して、圧力容器内の蒸気を下げろ、海水を含めて冷却水を注入しろと言われたのかどうか。経産大臣も、当然、原災法だけじゃなくて、炉規制法に基づいて命令したのかどうか。このことが問われてくるんですが、枝野長官にどう対応されたかを伺います。

〇枝野国務大臣 震災発生の当日は、まずは震災そのものに対する救命、救難というオペレーション、それから原子力発電所の方のオペレーション、二つの対応を政府として行っておりました。
海江田経済産業大臣は専ら原子力発電所の対応について取り組んでいただきましたが、私は官房長官という立場ですので両方のことについて、震災直接のものについては松本防災大臣を軸にしてということで、私はその両方を見ておりましたので、正確な時間的やりとりは、私自身の記憶では正確ではございませんが、この間、今御指摘いただきましたような経緯の中で、電源の回復に向けた努力、それから電源が回復しないという状況の中でベントによって気圧を下げるという努力、そして水を注入するという努力、こうした努力が、少なくとも今御指摘をいただいた原子力緊急事態宣言が出された以降、順次なされていた。それに、海江田大臣を中心に、時には総理も加わった中で、そうした指示といいますか、東京電力に対して、そうしたことを進めていくようにと。
そして、東京電力の側からは、そうした努力を進めているという報告がなされながら、しかし実際には、電源は回復をしない、ベントもスタートする段階に至らない、水を入れるということがなされないという状況が一定の時間続いておりまして、なぜなのかということについて、海江田大臣あるいは総理が繰り返し指摘をして、急がなければいけないではないかということを、遅くとも午前一時半の段階で行っていたということでございます。

〇吉井委員 一時半にそれを言われて、東京電力がしなかったら、やらせ切らなきゃいけないんですよ。炉心溶融になって今日の事態を迎えているわけですね。だから、全電源喪失の後のこの事態についてきちんとしなきゃいけないときに、総理と委員長が四時間半空白の時間をつくっただけじゃなしに、その前日の十時に判断してから翌日の七時四十五分までは、一応、今官房長官がおっしゃったように、いろいろな指示を出したりとか、法律に基づく対応ですね。しかし、十二日の七時四十五分から十二日の十七時十六分まで、空白が約十時間あるんですね。それで、十二日の二十時〇五分になって、ようやく炉規制法に基づく命令を大臣は出しているんですよ。
だから、これだけ深刻な問題だということが明らかになっているのに、きちんとした対応をしなかった責任というものは、私は極めて大きいものがあると。東京電力が言うことを聞かなかったのは悪いんですよ。それをまたやらせなきゃいけないんですよ。その対応が今日の重大な事態を招いているということをきちんと認識しておかなきゃいけないということを申しておきたいと思うんです。
枝野官房長官に、次に積極的な提案の方も一つしておきたいと思うんです。
毎日、放射能を帯びた水や水蒸気、空気が放出されております。外国の協力も大事なんですが、実は全国で、実験物理や実験化学、流体力学や伝熱工学をやってきた多くの研究者、あるいは原子炉設計に携わったOBの技術者を含めてたくさんいるわけですよ。情報不足で、提言したくともできない、受け付けてもらえるようなところがないというのが今声として上がっております
ですから、これは、研究者番号を伝えていただいて意見を聞かせてもらえるような受付部門をつくって、やはり日本の英知を総結集して、何としても、今の原発の深刻な状態から、速やかに冷却を進め、そして放射能の放出を食いとめる、そのためにあらゆる英知を結集する体制を考えるべきだと思うんですよ。これは枝野官房長官に伺っておきます。

〇枝野国務大臣 御指摘のとおり、この状況を収束させるためには、原子炉あるいは原子力関連の専門家の皆さんにとどまらず、さまざまな専門家の皆さんの英知を結集していくことが必要であるというふうに思っております。
この間も、原子力安全・保安院や原子力安全委員会にとどまらず、さまざまな専門家の皆さんにお知恵をかりて進めてきているところでございますが、御提言のとおり、いろいろな御意見あるいは知見をお持ちでありながら、どこにそれを伝えたらいいのかということを御存じない方もいらっしゃるというふうには思いますので、そうした方のお知恵をおかりするやり方については、今の御提言を踏まえて関係当局と相談をしたいと思っております。

〇吉井委員 これは研究者番号を伝えてもらったらできる話なんです。
それで、官房長官にお聞きしようと思ったら、大体時間が来ましたので置いておきますけれども、なぜこういう深刻な事態になったのかということですね。
私は、ここには、国も電力も原子力安全委員会もみんな、原発安全神話を信仰してしまって、原発利益共同体を築いて、情報公開しないで、国民の安全より企業利益第一に走ったというところがあると思うんです。アメリカで、TMIの後、弁護士さんが長になられて調査委員会を立ち上げて、安全への思い込みこそがスリーマイル島事故の最大の原因であったという報告書をまとめておりますが、思い込みと秘密主義こそが今回の重大な事態をもたらした要因だと思います
最後に、田中委員長、私は、東京電力会長の出席を求めて、福島原発事故の解明と、放射能汚染による国民生活の危機、計画停電など電気事業法に係る問題の委員会としての集中的な審議を行うように、参考人として会長の出席を求めて、やることをお願いしたいと思うんですが、どうですか。

〇田中委員長 理事会で検討させていただきます。

〇吉井委員 それでは、時間が参りましたので。
この間求めてまいりました基本的なデータをやはり全国民に公表する、公開することこそが最大の対応策ですから、このことを重ねて訴えて、時間が参りましたので質問を終わります。

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