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【小出先生Script書き起こし】 4/21ラジオ出演、東電クロル38検出は間違いだと言うが

2011.05.08  **** Update ****

2011年4月24日 Peace Philosophy Centre からの情報発信です。
東電は4月20日、この塩素38 (Cl-38)の測定値を撤回しております。それを受けて、先に福島第一の1号機の溜まり水から検出された塩素38のの計測値を元にし、再臨界の可能性を議論したモントレー国際問題研究所不拡散研究センターの研究員ダルノキ-ベレスさんは、所見と質問をまとめ、4月20日に『アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカス』誌に発表したとのことです。これについて小出先生もコメントしておられます。詳しくは下記リンクをご参照ください。また、当スクリプトの中の [014~021] で小出先生が仰られているように、東電のこの撤回の発表自体の信憑性が疑われるという問題が浮上してきています。いずれにしても、東電は、一刻も早く生データを開示し、世界中の英知を結集して、冷却復旧に取り組まなければならないと思われます。 tourkaba3

● 東電の塩素38測定値撤回に対するダルノキ-ベレス博士の所見と情報開示の要請

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=== 多少の違いはご容赦願います ===

・関西ラジオ番組: MBS(毎日放送)ラジオたね蒔きジャーナルに京大原子炉実験所 助教 小出裕章氏出演
・フォーカス     : 4月21日報道、東電、クロル38検出は間違いだと言うが
・動画タイトル   : 福島第一原発事故:小出裕章 2011.4.21
・動画オーナー : LunaticEclipseJapan7さん
・アップロード場所: http://www.youtube.com/watch?v=12-jf7vDhQs&feature=watch_response
・録画時間    : 14分
・アップロード日  : 2011.4.21
・聞き起こし    : by tourkaba3
・記録方法      : 対話形式、ナンバリング入り [001] から [070] まで

‐ ‐ ‐ ここから ‐ ‐ ‐
〇[001]司会者:以前ですね、一号機の中で再臨界が起きているのではないかと、その理由がクロル38という物質が検出されているからで、その検出が間違いであってほしいとおっしゃられていましたけれども。今日の毎日新聞の朝刊によりますとですね、「東京電力は一号機タービン建屋の地下の水からクロル38・塩素38が検出されたなどとする分析が、再評価の結果、間違いだった、誤りだったと判明した。」という記事がありまして、ということは、再臨界が起きている可能性は低くなったということなのでしょうか。

〇[002]小出先生: と思います。

〇[003]男性司会者:再臨界が起きていないということは一先ず少し安心できるポイントが増えたということですね。

〇[004]小出先生: おっしゃる通りです。ちょっとほっとしました。

〇[005]司会者: となると、外に出てくる放射性物質というのは少なくなる可能性があるのでしょうか。

〇[006]小出先生: それはないと思います。要するに今まで通りの状態がこれからも続くということになると思います。

〇[007]司会者: では事態が大きく好転しているというわけではないのですか。

〇[006]小出先生: もちろん全く好転していないです。寧ろ困難が益々山済みになってきているということだと思います。

〇[007]司会者: それはどうしてですか?

〇[008]小出先生:  要するに手詰まりの状態になっているわけです。原子炉を冷やすという方法は、相変わらず水を外から入れるという事しかないですし、入れれば水が溢れてくる事になる、そうすると汚染水が益々溜まるということになります。「トレンチ」とかいう部分は、もともと水をもらさないという構造にはなっていませんので、今現在の海へ漏れていっているのですが、それを早く何とか集中廃棄物処理建屋のタンクの方に移さなければいけません。でもそのためにも二十何日も掛ってしまうという、大変な作業を続けなければいけないのです。

〇[009]司会者: では私たちはどうしても再臨界が起きていないということで、ちょっとほっとしてしまう感じがあったのですけれども。

〇[010]小出先生: それは私もほっとしました。

〇[011]司会者: それが必ずしも事態が好転しているという状況に繋がっているものではないのですね。

〇[012]小出先生: そうですね。

〇[013]司会者: もう一つクロル38のことについて、東京電力は「半減期の短い物質を過大評価していたから検出したと、勘違いした。」というふうに話しているそうなのですけれども、これはどういうことなのでしょうか?

〇[014]小出先生:  馬鹿げた説明だと思います。今東京電力が遣っている測定方法というのは、「ゲルマニウム半導体検出器」という検出器を使って、「ガンマ線」を測っているはずなのですが、その検出器で測る限り、どの放射線核種がどれだけあるかとうことは、厳密に分かります。

〇[015]司会者: はい。

〇[016]小出先生: クロル38というその放射性核種も他の核種と間違うはずがないというような、放射性核種です。

〇[017]司会者: はあ。

〇[018]小出先生: その測定をしている私もゲルマニウム半導体検出器を使っている人間ですけれども、そういう人間から見れば、生のデータをみれば直ぐに、それが有るのか無いのかが分かる放射性核種です。ですから、何でこんな今になって「間違いだと」言い出すのかかなという、それが私にとっては寧ろ不思議です。

〇[019]司会者: それくらい専門家にとっては簡単に検出が確認できる物質なのですか。

〇[020]小出先生: はい、そうです。私達は「スペクトル」と呼んでいますけれども、そのスペクトルさえ見せていただけるなら直ちに分かってしまうという、そういう物なのですけれども、今のいままで20日以上、そのスペクトル出てこなかった。未だに出ていないわけですけれども、本当なのか嘘なのか、分からないままずっときてしまって、何か今になって「間違えていました」と東京電力が言ってるのです。

〇[021]司会者: いまの先生のお話を伺っていますと、今回その分析評価というのも、本当のデータが出て、専門家が検討しないと、本当に信用して良いのかと、疑問がわいて来るのですけれども。

〇[021]小出先生: そうですね。

〇[022]司会者: その辺りは、いかがでしょうか?

〇[023]小出先生: そう思います。ですから、生のデータというのは一番、私達のような人間にとっては重要なわけで、東京電力が勝手にその生のデータを解釈して、間違った結果を発表するというような、今までの遣り方は、何とか改めていただけないものかなと、思います。

〇[024]司会者: もう少し皆がわかるように正確にデータ開示をすることが必要だということですね。

〇[025]小出先生: はい、そう思います。この件で世界中が踊らされたわけです。私自身も誤りであってほしいと願いながら、今日まで二十何日も、ひょっとしたら再臨界かもしれないと思い込まされて来たわけですし。

〇[026]司会者: はい。

〇[027]小出先生: もっともっと正確な情報を公表する必要があると思います。

〇[028]司会者: もう一つ、今日、大きなニュースとして伝えられているものとして、東京電力が2号機の取水口付近から、一時期海に流れ出した高濃度の放射能汚染水の放射能の量がおよそ4700テラベクレルと発表をしております。

〇[029]小出先生: はい。

〇[030]司会者: この量を聞いて、小出さんは、どう思われますか。

〇[031]小出先生: もの凄い量ですけれども実はそんな量では済まないと、私は思っています。

〇[032]司会者:  もっと出ていると。

〇[033]小出先生: はるかに出ている。

〇[034]司会者: それは何故ですか?

〇[035]小出先生: この4700京、テラベクレルというのは、「ピット」という部分から瀧のように流れ落ちていたその量だけを計算したもので、「ピット」というのはコンクリートの構造物ですので、割れががあったのです。その割れがたまたま目に見える形で瀧のように落ちていた。だからこれは大変だということで、それだけが問題にされたわけですが、コンクリートの構造物というなら、その「ピット」だけではありません。「トレンチ」みんなコンクリートの構造物ですし、「縦坑」もそうです。もともと水を漏れないようにするなどという構造になっていませんし、水が漏れるのが当たり前です。おまけに地震でそこらじゅうが多分損傷してる筈だと思います。たまたまピットの所だけが見えたので、そこだけをいま東京電力は問題にしているわけですが、現実の問題としていうなら、もう、トレンチ、縦坑、ピットの目に見えない所でドンドンどんどん漏れて行っているのだと思います。

〇[036]司会者: う~ん・・・。

〇[037]小出先生: それが地下を通って見えない形で海に流れ込んで、現在の海の汚染を引き起こしているということになっている筈と、私は推測します。

〇[038]司会者: この4700テラベクレルという数字も、もの凄いのですけれども、これはピットという所から、漏れていた分だけで、全体で漏れている水が汚染された放射能量では無いということですね。

〇[039]小出先生: はい、そうです。

〇[040]司会者: それを計算するとモットもっともっと多くの。

〇[041]小出先生: 幾つだというふうに私は数字を示せませんけれども、必ず今の東京電力の数字よりは、多いと思っています。

〇[042]司会者:今までですね、海にこれだけの量の放射性物質が流れ出た事故の例っていうのはあったのでしょうか?

〇[043]小出先生: 事故では無かったと思います。イギリスのウィンズケール、セラフィールドという所ろに、核燃料の再処理工場があるのですが、そこで、核燃料の再処理をする名目のもと、計画的に流してきた放射能の量というのは、膨大です。いま東京電力が言ったのよりは、もっと多いのではないかと思うくらい流してきていまして、そこのウィーンズケールというのはアイリッシュ海という海岸にアイルランドある、言っててみれば内海です。日本海のような内海に面しているのですが、そこで大量の放射能を流して、アイリッシュ海がは世界一の汚染した海になっています。アイルランドの国会も政府も度々イギリス政府に対して、ウィンズケル再処理工場を停止してくれと言う決議をあげていますけれども、ウィンズケル再処理工場は、日本からの使用済みの核燃料を処理して、お金儲けをしたいということで、ずっと今日まで動いてきて、海を汚染してきました。それと、かなり近いような汚染を既に福島から出しているということになっています。

〇[044]司会者: そのウィンズケールでは、それだけの汚染物質を流して、海にどんな影響が出ているのでしょうか。

〇[045]小出先生: ウィンズケールの全面の海域では、もちろん魚がいるわけですけれども、そういう魚の中には、1970~80年代くらいには、現在の日本の基準では到底許されないような汚染がずっと続いていました。

〇[046]司会者: とすると、漁業とかにも大変な影響がでている事態なわけですか。

〇[047]小出先生: そうです。ですからアイルランド政府が停止を求めるという、そういう事になってきたわけです。

〇[048]司会者: 今回は、その汚染と同じぐらいの量だと思われるものが、もう既に出てしまっているということですね。

〇[049]小出先生:  そうです。はい。

〇[050]司会者: これ、本当に基本的なことを負お伺いしますけれども、一度このように環境に出てしまった放射性物質は回収というのは、どうしてもできないのですか?

〇[051]小出先生: 海というようなところに流してしまった限りは出来ないと思います。

〇[052]司会者: とすると、汚染を防ぐためには、とにかく出すのを防ぐしかないわけですね。

〇[053]小出先生:  そうです。いわゆる高濃度の物をそのまま閉じ込めるというのが一番良い方法です。

〇[054]司会者:  そのまま閉じ込める?

〇[055]小出先生:  薄めてしまっては駄目ですので、高濃度の物を閉じ込める、或いはその高濃度の物から廃液の処理で放射能を取り除くということは、ベストという言いにくいけれども、少しでもましな遣り方です。薄めるということは最悪です。

〇[056]司会者: でも今は原子炉を冷やすために水を入れ続けているので、汚染水で云わば薄めている状態になってしまっているわけですよね。

〇[057]小出先生:  それしかないのですね、今は。本当は遣ってはいけないことなのですが、遣らなければ原子炉が解けてしまうということで、もう仕方なく遣っているわけです。

〇[058]司会者: ではもうそれが続く限りは、汚染水が海に流れ続ける危険性は、止まらないわけですね。

〇[058]小出先生: 危険性が止まらないというか、必ずそうなります。

〇[059]司会者:  では、もう、それを抑えるために、高濃度のままで、抑えて置く為には、循環系昨日のある冷却水をリサイクルして、冷やすというシステムを早く作らないといけないということなわけですね。

〇[060]小出先生: そうです。でもその為には今の汚染水を何とかしなければ作業すらができませんので、まずは移さなければいけないのですが、それすらが、もの凄く大変だという状況に今追い込まれて居るのです。

〇[061]司会者: それから、明日の午前0時(◆注:4月22日を指す)に、あと数時間ですけれども、福島第一原発から半径20キロの範囲内を、強制力をもって立ち入りを禁止をする警戒区域に指定されるということなのですが、これは、小出先生としては、遅すぎたとお感じでしょうか?

〇[062]小出先生: この問題はとっても答えにくいのです。要するに、その地域に住んでいた人にすればですね、自分が住んでいた場所に入れないということになるのです。でも放射能汚染が凄いわけですから、私としてはやはり、そういう所に入ってほしくないとは思います。でも、自分が住んでいたところに入れない人達のその重さというのを私はどうやって計っていいのか分からないのです。

〇[063]司会者: はい。

〇[064]小出先生: ですから、私から見ると、もう自分でもどうしたらいいか分からないということになってしまいます。そのことは実は私は、チェルノブイリ原子力発電所の事故の後に、同じように思いました。故里を追われた人が40万人もいたのですけれども、そういう人達を強制非難させるという事の重さが途轍もないものだと思いまして、もう、どうしていいのだろうか、ずっとそれ以降悩み続けて、寧ろそのことを思ったが故に、原子力発電賞というものを建ててしまえば、何時かこんなことになるので、何とか早めに止めさせたいと思ってきたのです。でも、こうなってしまったのですね。また。

〇[065]司会者: あともう一つ気になっている事があですね、毎日新聞の今日(◆注:4月21日)の朝刊に載っていまして、原発で作業している方々の被曝線量ですが、今250ミリシーベルト(◆2011年3月の福島原発作業員の許容短期投与として日本独自で決めた暫定的しきい値)まで引き上げられた特例処置が運用されているのですが、これが作業員の方の「放射線管理手帳」に書かれていないケースがあると、250ミリシーベルト浴びた労働者に通常規則を当て嵌めてしまうと、相当年数仕事の機会を奪うことになるので、全く別扱いで管理するというふうに、放射線影響協会の放射線従事者中央登録センターの方が、記事によりますと語っていたりするのですが、この事について小出さんはどう思われますか。

〇[066]小出先生: 過酷なことですね。もともと日本人と人々は一年間に1ミリシーベルトしか被曝をしてはいけないというのが法律なのです。私のように放射線取り扱って給料を貰っている人間というのは少し我慢しろといわれて、私は一年間に20ミリシーベルトです。でも、今回のような事故を起こしてしまったら、そんなことは到底言っていられないと、たった一回の今回の事故に向き合うためだけに、100ミリシーベルトまで我慢しなさいというのが法律だったのですけれども、それすらがもう守ることができない、ういことで、250ミリシーベルトまで一変に変えられたのです。でもそれをちゃんと適用しようとすると、今度は、作業が出来なくなってしまうから、手帳にも書かないし、今後何年間仕事をしたいということを考えたら、もう、「それを闇に葬る」というようなことを今言っているという事なのです。

〇[067]司会者: う~ん・・・。

〇[068]小出先生: よその放射線を取り扱う場所の仕事、今回のような事故が起きたときの作業は過酷だと思います。

〇[069]司会者:  放射線管理手帳ですね、これは、規則でこれで管理するということになっていますが、やはり現場では中々きちんと管理できていない実態がある。

〇[070]小出先生: きちんと放射線管理がされていないという事は昔から何度も何度言われてきたことです。

– – – ここまで – – –

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